研究課題/領域番号 |
20K19090
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 神戸市看護大学 (2022) 京都大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
佐藤 隆平 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (10752058)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 間質性肺疾患 / 患者 / 家族 / 情報ニーズ / 相談者 / HRQOL |
研究開始時の研究の概要 |
間質性肺疾患には予後不良な疾患が含まれ、患者や家族は情報不足のまま不安な生活を送っている。本研究は質問紙を用いて横断研究を実施し、以下の2つの目的を達成する。 目的A: 間質性肺疾患患者家族を対象に、患者の酸素療法の有無により情報ニーズの様相が異なるかを調査する。目的B: 間質性肺疾患患者の家族において、相談者の有無によりHealth Related Quality of Life(HRQOL)などに差があるかを検討する。 この研究から、情報ニーズに対応した回答を伝えるタイミングが明らかになる。さらに、患者のみならず家族を含めた包括的な観点に立った電話相談などの支援方法などの創造が期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究課題は、以下の2つの目的で実施している。外来通院している間質性肺疾患患者家族を対象に、患者の酸素療法の有無により情報ニーズの様相が異なるかどうかを調査する(目的A)。間質性肺疾患患者の家族において、相談者の有無により家族のHRQOLに差があるかを比較検討する(目的B)。当該年度は、目的Aの詳細な解析を実施した。登録した者のうち、選択基準を満たさなかった患者と家族各々1名を除外し、患者65名、家族65名が解析対象となった。患者の情報ニーズの上位は、「病気の進行と予期する事柄」「息切れ、咳、疲労の管理方法」「間質性肺炎の急激な悪化」「医療者にいつどこに連絡するのか」「エンドオブライフケアとアドバンス・ディレクティブ」の順であった。家族の情報ニーズの上位は、「病気の進行と予期する事柄」「間質性肺炎の急激な悪化」「息切れ、咳、疲労の管理方法」「食事や栄養」「在宅でのケアやサポート」の順であった。酸素療法の有無別において、患者の上位で異なる様相は、酸素療法有群で4位の「間質性肺炎の急激な悪化」が酸素療法無群の2位に入ったこと、酸素療法有群で5位外であった「間質性肺炎に対する薬剤」が酸素療法無群の5位に入ったこと、酸素療法無群で5位外であった「エンドオブライフケアとアドバンス・ディレクティブ」が酸素療法有群の5位に入ったことであった。家族の上位で異なる様相は、酸素療法無群において、酸素療法有群に比べ、「間質性肺炎の急激な悪化」が多く選ばれていた点であった。結論として、患者と家族の情報ニーズは同じではなく、酸素療法の有無別でも情報ニーズの様相が異なっていた。このことは、医療者が情報を伝える時、対象者の立場、患者の病態進行を踏まえた適切なタイミングを考慮に入れることの重要性を示唆している。今後、成果について国内学術集会での発表および国際学術雑誌へ投稿を予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究責任者の所属施設が変わったため、業務上本研究課題へ取り組む時間の確保が困難な期間があり、進行がやや遅れた。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題の目的は2つあるが、業務のバランスをとり、どちらの目的についても解析を進め、その成果を国際誌に投稿するため執筆作業を行う。
|