研究課題/領域番号 |
20K19099
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 福井県立大学 (2021-2023) 石川県立看護大学 (2020) |
研究代表者 |
川村 みどり 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (20347363)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 地域精神保健 / 薬物療法 / 質的研究 / コンコーダンス / 薬物治療 / 統合失調症 / KJ法 / 精神障害 / リカバリー / 面接 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、地域で生活する統合失調症を有する人(以下、統合失調症者)にインタビューし、「薬を飲まない」選択を考える時の主観的体験の構造を明らかにすることが目的である。そのため本研究は2段階で取り組む。まず、文献レビュー等で統合失調症者と薬物療法に関する概念枠組みを整理し、インタビューガイドを作成する。次に、約10名に半構造的面接で自由に話してもらい、その内容をKJ法で統合し分析する。本人の主観的体験を知ることで、本人に寄り添ったリカバリーに即した看護ケアへの示唆が得られると考える。
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研究実績の概要 |
2020年度以来、COVID19感染拡大防止のため、研究テーマに関連する文献検討を継続した。文献検討のために、専門職者が執筆した薬物治療に関する一般書籍を収集した。一般書籍を対象にした理由は、統合失調症を有する人(以下、統合失調症者)も入手可能な書籍であれば、統合失調症者の心理や行動に対して十分に配慮した説明がされていると考えたからである。 2021年度は、ICN Congress 2021に参加して、COVID19流行前に収集したデータをまとめて、成果報告を行った。 「Narratives on Health, Illness, and Medication in Community-Dwelling Individuals with Schizophrenia」についてポスター発表を行った。地域で生活する統合失調症者(n=6)の健康・病気、治療薬等に関する語りから、【薬がイヤになる瞬間がある】【適量の薬で良い調子を保つ】というストーリーラインが見出されたことを報告した。面接により「薬を飲まない」選択を考える統合失調症者の主観的体験を知り得る可能性が示唆された。 2022年度は、精神障碍者を支援する職能団体の理事会に、面接協力を依頼した。就労をきっかけに体調管理に取り組む統合失調症者のエピソードを教えていただき、面接の可能性を確信した。 2023度は、倫理審査で承認を得て、団体あるいは個人的な縁故で調査協力者を募り、対面での面接を実施した。リクルート先の団体は医療に限定せず、統合失調症者の地域生活を支援する医療福祉の専門職者が携わるいくつかの組織に協力依頼をした。それにより、支援者7名、統合失調症者10名と面接することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度以来、COVID19感染拡大防止のため、対面でのインタビューを実施できなかった。また、2021年度は研究者が所属機関を異動、新たな研究協力先を開拓する必要があった。2022年度は、協力先の打診を行い、感染予防を念頭に置きながら対面でのインタビューの可能性を探った。 COVID19感染拡大防止に関する政府方針が変わった2023年度になって、当初の計画通りに対面による面接調査を開始することができた。最終段階のデータ分析および発表に、ようやく到達することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は前年度に実施した面接のデータを分析し、学会発表あるいは論文投稿を行う。 協力対象者の範囲を、統合失調症者らを支援する専門職者にも広げたことで、統合失調症者本人が気づかない言動から、研究テーマをより深めることが可能と考える。
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