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集中治療室入室中の経験が学習性無力感の生起に及ぼす影響に関する探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K19109
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58060:臨床看護学関連
研究機関聖徳大学

研究代表者

桑原 美弥子  聖徳大学, 看護学部, 教授 (00336471)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード学習製無力感 / 身体拘束 / 学習性無力感 / 集中治療室
研究開始時の研究の概要

本研究は集中治療室で治療を受けた患者が退室後に経験しうる心身の不調について、学習性無力感(Learned helplessness)の理論を用いた説明および予防方法の検討をめざすものである。集中治療室退室後の患者の心身の不調については、観察研究などにより存在が確認されたが、なぜそのようなことが起こるのか、理論的枠組みを用いた説明はなされていない。本研究では、集中治療室入室中の患者の経験を、学習性無力感の理論から捉え直し、集中治療室退室後の心身の不調の発生に関して理論的な説明を試みる。

研究実績の概要

本研究は集中治療室で治療を受けた患者が集中治療室退室後に経験しうる心身の不調について、学習性無力感(Learned helplessness)の理論を用いた説明および予防方法の検討を試みるものであり、患者が集中治療室で行為と結果の非随伴性について、①どの程度経験しているのか②どのように認知しているのか③学習性無力感と関連しているのか、の3点を明らかにすることを目的とする。令和2年度(2020年4月)に集中治療室で参与観察法により、行為と結果の非随伴性を患者がどのように、どれくらい体験しているのかを明らかにする計画であったが新型コロナウイルス感染症の流行が繰り返された2020年から2022年にかけては集中治療室に勤務者以外の第三者が立ち入っての研究活動の受け入れ施設確保ができなかったことに加え、2023年度5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上5類に移行した後も、医療施設における感染管理が引き続き厳格である状況が続くと判断したため、2023年度は参与観察法によるデータ収集を断念した。
2023年度は研究方法を変更し、集中治療室看護師を対象とした調査票によるデータ収集により、患者の「行為と結果の非随伴性」に関する経験を明らかにすることとした。2023年度は「行為と結果の非随伴性」をもたらす事象として身体拘束を採用し、文献検討に基づいて調査票原案を作成した。小規模なプレテストを通して調査票を洗練し完成した。データ収集方法を第三者による参与観察から当事者による調査票記入に変更したことに伴うデータ特性の変化、収集されるデータ量の変化を踏まえて分析方法を変更し、修正した研究計画を倫理審査に申請した。倫理審査で研究計画に倫理的な問題は無いと承認され現在、調査票を配布する段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

理由
研究開始年度であった令和2年度(2020年度)は新型コロナウイルス感染症の国内発生と蔓延への警戒から、史上初めての緊急事態宣言が発令され、日常行動はおろか、研究活動についても厳しい制限が課された。集中治療室では新型コロナウイルス感染症に罹患した患者への治療に多くの時間と人手を割くこととなり、また感染管理のためレッドゾーンに立ち入る医療従事者を限定する人員配置により、参与観察をデータ収集方法とする研究依頼を受け入れていただけるような状況ではなかった。さらには新型コロナウイルス感染症に対応した個人防護具の不足が深刻で、医療従事者に最優先で配分する切実な状況から、研究者が集中治療室に入室する準備を整えることも困難であった。
感染状況がいったん落ち着いている時期がおとずれても、厳重な感染管理のために集中治療室に研究者が入室できない状況が続いた。令和4年度にはデータ収集方法を変更し、医療従事者に患者の観察記録の作成を依頼する計画を立てたが、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けての人員不足や、反復する流行の波により、実現しなかった。
令和5年度には新型コロナウイルス感染症が感染症法上5類に移行することから、元々の計画であった参与観察法または令和4年度に変更した医療従事者による患者観察記録作成による研究計画実施を検討したが、数年間に渡るあらたな感染管理の考え方は5類移行後も維持されるとの判断に至ったこと、医療従事者による患者観察記録作成依頼が実践の現場に与える負荷(費用対効果)を考慮したことから、再度のデータ収集方法の変更を決断した。
再変更後の研究計画は倫理審査にて承認されデータ収集を開始できる段階に到達したが、新型コロナウイルス感染症と関連して状況を見極めながら、結果として2度にわたるデータ収集方法の変更があり、当初の研究計画より進捗は遅れていると考える。

今後の研究の推進方策

2度目の変更を余儀なくされたデータ収集方法による研究計画が倫理審査で承認されたため、速やかにデータ収集を開始する。計画では8月中にデータ収集を完了し、9月から11月にかけて分析を行う予定である。
調査票の配布と並行して、「行為と結果の非随伴性を患者がどのように認知しているのか」を明らかにするための研究計画を実施に移せるよう準備を進める。この第2段階の研究のデータ収集方法は集中治療室への入室経験がある患者を対象としたインタビューであるが、前述の通り、コロナ禍のあいだに定着した感染管理の考え方では入室中または入院中のインタビューには障壁が予想されるため、研究参加者のリクルート方法およびデータ収集方法を検討し直す予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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