研究課題/領域番号 |
20K19112
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
猪飼 やす子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (10862013)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 特発性肺線維症 / 尊厳 / 慢性看護学 / 呼吸器看護 / 成人教育 / 混合研究法 / ランダム化比較試験 / インストラクショナルデザイン / e-ラーニング / 療養支援 / 看護教育 / 特発性間質性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症は難治性で症状緩和が難しく、病状の悪化に直面して生きるために尊厳が脅かされやすい。しかしながら、看護援助の機会は限られている。 研究目的は、特発性肺線維症をもつ生活者への看護援助の実態と教育ニーズを調査し、Dignity-Centered Care(治癒困難な病いと共に生きる人々の尊厳に着目した看護援助)看護師育成プログラムを開発し、混合研究法により評価することである。 研究方法は、特発性肺線維症をもつ生活者への看護援助の実態、及び教育ニーズを調査し、看護師育成プログラムを作成する。公募した参加者をプログラム受講群と未受講群に割り付け、プログラムを実施し、混合研究法を用いて評価する。
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研究成果の概要 |
特発性肺線維症療養者の尊厳に着目した看護師育成プログラムを開発した。呼吸器疾患を専門とする看護師を対象に看護実践の実態と教育ニーズを調査し、最も実施されていた援助は日常生活動作への援助(88.8%)であり、看護を学習する機会は少なかった。疾患概論、特性の理解、看護の19コンテンツからなるe-ラーニング教材を作成し、受講前後と受講4週後の看護実践の変容を量的・質的データを統合する混合研究法により評価した。全体評価は8.7(0~10)点であり、看護実践項目数は57.7%で増加していた。本プログラムは看護師の知識を深め援助行動を促進させるが、看護実践は療養者と関わる頻度に依存する、とメタ推論された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特発性肺線維症療養者の生活の質の維持・向上に貢献する看護師を育成するプログラムは国内外でみあたらず、開発する必要がある。特発性肺線維症療養者への看護援助の実態と教育ニーズの調査を行い、尊厳に着目した看護(Dignity-Centered Care)を基盤とする看護学習教材を作成し、講義動画をe-ラーニングに搭載した。本教材は、特発性肺線維症療養者に必要な看護を、療養者を対象とした調査結果をもとに明示したものであり、学術的意義がある。また、本教材を受講後に看護実践が変化したと61.5%が回答し、スタッフ教育や新たなケア提供体制の構築に活かされていた。本教材は実装可能と考えられ、社会的意義がある。
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