研究課題/領域番号 |
20K19117
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
栩川 綾子 (牧村綾子) 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (70465582)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 糖尿病足病変 / 看護師の実践 / 看護実践 / 現象学的研究 / 糖尿病足病変患者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、糖尿病足病変患者を看護する病棟看護師の実践を、参与観察と非構造化面接を通して現象学的に明らかにする。急性症状が伴う足病変患者を看護師がいかに知覚し看護実践をしているのか、患者と看護師の相関性から生起する看護を記述することで、糖尿病という慢性経過のなかで急激な身体変化を伴う時期にある足病変患者への、帰納的な看護実践モデルの基盤を作ることが目的である。
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研究実績の概要 |
本研究は、糖尿病足病変(以下「足病変」とする)患者を看護する看護師の入院時の看護実践を、参与観察と非構造化面接で現象学的に明らかにする。2022年度は、3年計画うちの3年目であるが、COVID-19の感染拡大により当初の計画から1年遅れたペースになっている。 本研究で用いる現象学的研究の分析能力向上に向け、研究会や現象学の思想を学ぶ勉強会に継続的に参加している。2021年度に所属大学の倫理審査の承認後、2022年度に研究協力機関の倫理審査を経て、調査を開始した。研究参加者である足病変患者が入院している病棟の看護師3名の協力のもと、各参加者に3~5回のフィールドワークと、2~3回の個別面接を実施し調査を終了した。また同時に、現象学的に分析を進めた。看護師は、創部の治癒が不確実な状況にある足病変患者に、励ますようにしていると言っていた。しかし、治療を受けるだけの客体にするのではなく、患者の主体性が発揮できるようにする実践も背後に起こっていることが明らかになった。このように、看護師が意図的に思考して行う看護だけでなく、はっきり自覚する手前から、意味ある看護を実践していることが示すことができた。本結果は、第3回日本フットケア・足病医学会学術集会で発表をした。また2023年度は、この分析結果を論文にまとめ、投稿する予定である。 また、本研究を着想することになった博士論文を学会誌に投稿し、その内容について、日本質的心理学会第19回大会のシンポジストとして発表した。看護師と足病変患者の身体のつながりから生起する看護について示し、思考で行う実践だけではない看護の在り方を示す機会を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度内に、病院での調査を終了することができた。現在、得られたデータから分析を進めているところであるが、COVID-19の感染拡大時に、研究協力病院での研修や研究依頼を控えたため、当初の予定より遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集は終了し、分析を行っている。今回得られたデータは、足病変患者のなかでも、下肢切断の可能性がある患者、切断した患者というように、患者の治療や身体の状況が異なっていた。そのような患者の状況の異なりに、看護師が多様に応じていた。今後は、下肢切断患者への看護実践について、分析内容の精度を上げるため、研究会で発表し、のちに学会で発表する。また、このような患者の治療や身体の状況に応じた看護師の実践を明確にして論文にする。さらに、足病変患者の看護実践を基にし、慢性病をベースにした急性憎悪の健康問題を持つ患者の看護実践という看護の視点を提示し、本研究を終了する予定である。
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