研究課題/領域番号 |
20K19133
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
浅利 剛史 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40586484)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がんばった / 幼児 / 採血 / ケア / 標準化 / 学習プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「注射ぎらい」「病院ぎらい」の幼児を減らしたいという思いが発端となっている。幼児が採血を通じて「がんばった」と思えることは自己効力感やレジリエンスを育むことにつながり、結果として「注射ぎらい」「病院ぎらい」の幼児を減らすことにつながると考える。 そこで、本研究の目的は、採血を受けた幼児が処置を通じて「がんばった」と実感できるような標準化されたケアを作成しその効果を検証する、ことである。 この目的を果たすために有効と思われる看護師のケアを帰納的に分析しケアを標準化し、学習プログラムを作成し、介入群とコントロール群で子どもの「がんばった」という実感に影響があったかを分析する。
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研究実績の概要 |
学習プログラムを作成し、新卒3年目の小児病棟に勤務する看護師2名に実施した。具体的な学習プログラムは、2回のミニレクチャーを行い、採血を受けた幼児の「がんばった」言動、「がんばった」と実感できるケアを紹介し、これまで受講者が認識、実践してきたことについてディスカッションを行った。各回のミニレクチャー後にワークを行ってもらい、実践の機会を確保した。その後受講者にインタビューをし、ケアに関する認識と実践の変化について定性データを得た。 現在、結果の分析中であるが、おおむね次のような効果が得られた。 1)これまで実践してきたことのエビデンスの獲得:「これまで主体性を促すという意図はなく椅子に座ってもらうような声かけを無意識に行っていたが主体性を促すかかわりであることに気づいた」など。 2)幼児を観察する視点の増加:「がんばったスケールの観察の視点から穿刺する前の幼児の反応をより繊細に観察することができた」など。 3)ケアの方法のバリエーションの増加:「これまでやってこなかった幼児の要望への応答や幼児との約束を行えたので引き出しの数が増えた」など。 これらの効果が得られた理由としては、学習プログラムにワークを取り入れたことが考えられる。レクチャー後にワークとして幼児を観察あるいはケアを提供することでこれまでの自身の取り組みを振り返る機会、得られた知識を実践する機会が得られた。また、インタビューで自身の認識や実践について言語化したことでよりケアに関する認識を強化したと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症流行のため当初予定していた定量的な分析を行うためのデータ収集を行う、ということは実現できず、上記のように2名に対して学習プログラムを実施して、定性的に評価を行うことへ変更した。 そのためやや遅れはしたものの、変更した方法については順調に実施できたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
補助事業期間延長を申請を行い、承認された。2023年度は2022年度に得られた研究成果を発信していく年度と位置づけ、各種学術集会における発表ならびに論文投稿を行う予定である。
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