研究課題/領域番号 |
20K19141
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
|
研究機関 | 弘前医療福祉大学 |
研究代表者 |
高瀬 園子 弘前医療福祉大学, 保健学部, 講師 (10628738)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 家事育児 / 父親 / 料理教室 / 動機付け / 食育 / 動機づけ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまでの父親の家事育児を促進させるための支援において、十分に実施されてこなかった家事役割への支援、なかでも日々の生活に欠かすことが出来ない食事に注目することで、子どもの食育を踏まえた料理教室の開催とその効果を検証し、父親の家事育児を促進させるためのプログラムを構築しようとする試みである。 具体的には、①父親の家事育児を行動面と家事動機づけの心理的側面から実態を明らかにし、②父親の食育への関心と家事育児を促進させるための料理教室プログラムの開発と開催、③教室開催後の父親の家事育児行動と家事動機づけの効果を検証し、父親の家事育児を促進させるための教育プログラムを提示するものである。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、幼児期の子どもを持つ父親の食育や家事育児について焦点を当てた料理教室への参加がもたらす家事育児への効果を検証し、父親の家事育児参加促進のためのプログラムを開発・提示することである。令和5年度の研究実績は以下のとおりである。 1.質問紙調査:幼児期の子どもを持つ父親の家事育児について、個人特性、家事動機付けの心理的側面から家事育児の実態を明らかにすることを目的に父親635名を対象とした質問紙調査を実施し、個人特性と家事動機付けの関連についてデータ分析を行い、関連学会に発表し、論文にまとめている。本調査より、妻が正規職員の父親は専業主婦群より「生活習慣」としての家事動機付けが高かった。また、「生活習慣」の家事動機付けは清掃と、「興味関心」の家事動機付けは食事作りと関連がみられた。 2.インタビュー調査:母親の食育に関する意識が食事作りの家事動機付けに与える影響を明らかにすることを目的に幼児期の子どもがいる母親を対象としたインタビュー調査を実施した調査について、母親の食事作り中の思いの内容分析を行い、関連学会に発表し、論文にまとめている。本調査より、【子どもとの買い物が大変であること】【子どもに合わせて調理方法を工夫していること】【食事中は子どもの世話のため落ち着いて食事が出来ない】ことが明らかとなった。 3.プログラムの開発と効果の検証:上記1.2.の知見を踏まえて幼児期の子どもがいる父親を対象とした家事育児行動を促進するためのWEBによる料理教室を開催し、その効果を検証した。 4.介入研究の検証:上記3よりWEBによる料理教室の効果は【父親の食事作りへの意欲】【ひと手間加えた簡単な調理方法の獲得】【子どもとの食事作りの楽しさ】がみられ、課題として【調理の目安の分かりにくさ】【子どもが食べない】【調理工程の複雑さ】がみられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度の研究計画に挙げた1.父親を対象とした質問紙調査の成果報告、2.母親を対象としたインタビュー調査の成果報告、3.プログラムの開発、4.WEB開催による料理教室に参加した父親の調査とデータ分析及び研究の総括については、それぞれの作業を行っている。しかしながら、令和5年度においても新型コロナウイルス感染症の影響により、延期が生じたものが存在する。 1.父親を対象とした質問紙調査の成果報告と、2.母親を対象としたインタビュー調査の成果報告:予定通りに実施し関連学会に研究成果を発表した。しかし、論文の作成までには至ることが出来なかった。 2.プログラムの開発については、1.の質問紙調査と、2.のインタビュー調査の結果より、父親向けのWEBによる料理教室の内容を検討し、父親の家事育児を促進するためのメニューを決定した。調理の実施、撮影、動画の作成を行いWEBによる父親向けの料理教室のプログラムを開発した。 3.料理教室に参加した対象者の調査の実施については、対象者を募集し、対象者に調理の実施と、調理前後に父親と母親に質問紙調査を行った。調査より得られたデータを分析し、関連学会にエントリー中である。しかし、新型コロナウイルスの影響により、対象者の募集が遅れたことにより、調査、分析が遅れ、そのため、予定していた研究の総括については遅れが生じた。 以上のように、それぞれの作業については、ほぼ予定通り着手しているものの、論文の作成、投稿、研究の総括という点については遅れが生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、引き続き以下のような観点から研究を進める。 1.質問紙調査の成果報告:父親を対象とした質問紙調査について論文にまとめて関連学会に報告する。 2.インタビュー調査の成果報告:母親を対象としたインタビュー調査について論文にまとめて報告する。 3.WEB開催による料理教室の成果報告:WEB開催による料理教室に参加した父親の食事作りの効果や課題について関連学会にて発表し、また、論文にまとめて報告する。
|