研究課題/領域番号 |
20K19157
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 純真学園大学 (2023) 福岡看護大学 (2021-2022) 宇部フロンティア大学 (2020) |
研究代表者 |
山崎 啓子 純真学園大学, 看護学科, 准教授 (40803961)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 成人先天性心疾患患者 / リプロダクティブ・ヘルス / 患者の認識 / 先天性心疾患 / セクシャル/リプロダクティブヘルス/ライツ / 看護支援 |
研究開始時の研究の概要 |
日本における少子高齢化は急速に進んでおり、2010年より人口も減少、さまざまな子育て支援が行われている。2005年に過去最低であった合計特殊出生率(1.26)は近年微増(2015年,1.45)の傾向にある。このような中、妊孕性のある先天性心疾患(CHD, congenital heart disease)女性は増加、出産する機会が増えている。そのため関連学会では、CHD女性の安全な周産期管理のための包括的なアプローチ(専門施設での出産・妊娠前カウンセリング等)を提案しているが、その活動が十分に浸透しているとは言えないため、CHD患者の性と生殖に関する思いを理解することが重要であると考えた。
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研究実績の概要 |
本研究では、成人を迎えたCHD患者の妊娠出産/親になることへの認識やその経験を通して起こった身体的/精神的変化を明らかにし、妊娠出産/親になるために必 要な能力を身につけるための支援の検討を目的としている。研究は3段階で構成されており、これらの結果から妊娠出産/親になるために必要な社会的支援/精神 的支援を検討していく予定である。 研究1として「妊娠出産/子育てに関する現状の把握」のために国内外の文献検討を行った。 研究2では「成人を迎えたCHD患者の妊娠出産/親になることへの認識の把握」のために、成人を迎えたCHD診療専門医療施設にて定期的または不定期的に外来受診を行っている18歳以上のCHD患者へアンケート調査を行う予定であったが、COVID-19の影響で医療機関での調査が困難であったため、文献検討結果と以前他の研究者と共同で実施した「成人CHD女性の結婚・妊娠・出産への思いについて」のアンケート結果の一部を使用して『成人先天性心疾患女性のリプロダクティブ・ヘルス向上に向けた妊娠出産に関する予備調査』としてまとめ、学会誌への投稿を行い、論文化しており、英文での投稿も検討している。本論文では、成人CHD女性の妊娠出産への思いだけでなく、セルフマネジメントに必要な知識の程度も一部垣間見ることができた。本論文のEditrial commentにもあったように、妊娠/出産/親になるために必要な能力を身に着けるためには、「いつ」「どこで」「誰が実施する」などを今後の研究の中で明確にしていきたいと考えている。 研究3では、妊娠出産/親になった経験のある成人CHD患者のインタビューを予定している。そのため、現在、患者会などとの活動を通して、インタビュー可能な患者の選定を行うとともに、インタビューを実施する環境の調整を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度に、COVID-19の感染症分類は2類から5類へと変更になったが、医療を取り巻く環境はそれほど大きく変わっていないこともあり、患者にとって安心・安全が確保できる環境での調査の調整に時間がかかり、大幅に遅れている。また令和5年度は研究代表者の職場異動に伴う業務多忙もあったが、令和6年度の調査に向けての準備は整ってきている。
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今後の研究の推進方策 |
研究3のインタビューを行う予定で、現在患者会などを通して、妊娠/出産/親になった経験のある成人CHD患者への研究依頼が行えるように準備を進めている。また、インタビューを実施する環境の調整を行っている。 女性だけでなく、男性の成人CHD患者にもインタビューを行う予定であるため、これらすべての結果を踏まえ、現在成人CHD患者に関わっている医療者らからの助言もいただきながら「社会的支援」「精神的支援」について検討していく。
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