研究課題/領域番号 |
20K19173
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鹿田 佐和子 (松崎佐和子) 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (00853053)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 発症前診断 / 未成年 / 遺伝カウンセリング / 未成年者 / 未成年血縁者 / 遺伝性腫瘍 / 小児 / 腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
がんゲノム医療の発展に伴い、遺伝性腫瘍と診断される患者の増加が見込まれる。遺伝性腫瘍と診断された患者の中には、早期発見・治療へつなげるため、我が子に腫瘍が発生する前に、その原因遺伝子の病的変化を継承しているかどうかを調べる「発症前診断」を検討することがある。子が成人の場合、発症前診断の受検は本人の自律的意思に基づき決定可能であるが、子が未成年者の場合、一般的に判断能力が未熟のため自律的に受検の意思決定を行うことは難しい。そこで本研究では、今後増えることが予想される未成年者のがん発症前診断に適切に対応するため、その課題や心理的影響を考慮した遺伝カウンセリングモデルを提示することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本邦で2019年にがんゲノム医療が保険収載され、これまで以上に遺伝性腫瘍と診断に至る患者が増加している。遺伝情報は血縁者間において共有され、血縁者の 遺伝状況を調べる「発症前診断」の希望も今後増えていくことが予想される。しかしながら、健康な未成年者の遺伝性腫瘍発症前診断の関わり方を記したガイドラインはこれまで提示されておらず、実施施設では手探りで進めている状況が多い。 本研究では、文献探索とレビュー、実態調査、意識調査にて国内の未成年者におけるがん発症前診断の現状を把握し、その課題を抽出する。そして、実際に発症 前診断の遺伝カウンセリングを受診した親権者と未成年被検者の心理的影響をインタビュー調査で明らかにする。 得られた結果を多面的に検討し、未成年者に おけるがん発症前診断遺伝カウンセリングモデルを提示することを目的とする。 本年度は、昨年度に行った遺伝子診療部門がある施設を中心に未成年の遺伝性腫瘍発症前診断の実態調査の結果について学会発表を行い現在論文にまとめている。また、遺伝医療従事者(臨床遺伝専門医指導医、認定遺伝カウンセラー、遺伝看護専門看護師)を対象とした意識調査のデータの解析も開始しており、今後学会発表や論文にまとめる予定である。さらに、インタビューを含めたアンケート調査に関する倫理審査申請の手続きを進めている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
常に進展している本邦のがんゲノム医療や遺伝性腫瘍に対する医療提供状況を把握しながら慎重に進めているが、新型コロナウイルスの影響によって、研究対象者のリクルート方法等に変更が必要になったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、臨床研究倫理審査の承認を得て、各遺伝性腫瘍の当事者団体を対象とした未成年者の遺伝性腫瘍発症前診断に対する意識調査を開始しつつ、国内のCovid-19への対応を伺いながらインタビュー調査への参加のリクルートを行い、当事者や家族が考える未成年に対する遺伝性腫瘍発症前診断視点について検討する。
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