研究課題/領域番号 |
20K19175
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
|
研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
笠井 久美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10795339)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 二分脊椎症 / 性行為 / 性教育 / 評価 / 現状 / ニーズ / 介入 / プログラム開発 |
研究開始時の研究の概要 |
二分脊椎者は、脊髄の損傷部位によって身体障害の程度が様々であり、水頭症により知的機能への影響もある。これらの疾病や障害が、性への消極性や現在や将来の性に対する不安や満足度、パートナーとの関係の築きにくさにつながっている。また、二分脊椎者の性の研究の中で、性教育の方法、性の健康と自尊心・自己イメージ・自己価値との関連についての科学的根拠が不足している。そこで、本研究では、二分脊椎者の特徴を踏まえた性教育プログラムを開発し、実施と評価を行う。二分脊椎者の自尊心や自己価値、自己イメージを高め、性に関して心身ともに健康で、パートナーと良好な関係を築ける基盤づくりを目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究ではまず二分脊椎症者の性教育のニーズを把握した。次に効果的な性教育の発展の一助とすることを目的に、見出された性教育のニーズのうち、性行為に関する教育に焦点を当てて実践・評価をした。高校生~45歳の方に動画で性行為に関連した教育を行い、性教育前・直後・1か月後に調査をした。調査内容は、性教育内容の知識に関する12項目、行動変容に関する予期18項目、一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)16項目、日本語訳 Rosenberg Self-esteem Scale(RSES-J)10項目、性に関する考えや行動の変化1項目、性教育の評価5項目であった。性教育前・直後・1か月後の各評価指標の合計得点の変化、各属性について知識ならびに行動変容に関する予期の各項目の変化、性に関する考えや行動の変化、性教育の評価を分析した。男性20名、女性14名のデータから、知識合計得点と性の行動変容に関する予期合計得点では、性教育実施前と直後、性教育実施前と1か月後に有意差がみられたが、GSES標準化得点とRSES-J合計得点には有意差があるとはいえなかった。また、属性によって有意義な教育内容が異なることも明らかになった。4割が性教育実施1か月後時点で性に前向きな考えへの変化を示したが、行動の変化には更なるきっかけが必要と考えられた。9割が今回の性教育を肯定的に評価した。 加えて、作成した性行為に関する教育動画が特別支援学校高等部での教育や二分脊椎症以外の肢体不自由や排泄障害のある高校生にも利用可能か示唆を得るために、特別支援学校3校の教職員13名にアンケート調査をした。二分脊椎症以外の肢体不自由や排泄障害のある高校生に対して利用でき、かつ学校で比較的利用しやすい内容は、性行為のマナー、性感染症予防、避妊、相談・受診先であった。
|