研究課題/領域番号 |
20K19203
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 真美 東京大学, 医学部附属病院, 看護師 (90865891)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 睡眠 / 肥満症 / 生活習慣病 / 多施設共同観察研究 / 多変量解析 / 縦断的解析 / 肥満 / 体格指数(BMI) / body mass index (BMI) / 縦断的分析 / 睡眠時間 / 背景因子 / 睡眠習慣 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、我が国における睡眠の現況を調査し、睡眠と生活習慣病との関連を解明することである。 近年、睡眠の不足・過剰と生活習慣病との関連が注目されている。一方、先行研究の多くはライフスタイルが異なる諸外国からの報告であり、就労者の睡眠時間が国際的に最も短いとされる日本におけるデータの集積は十分でない。 本研究により、睡眠の現況、ならびに、生活習慣病を予防する適正な睡眠時間や、睡眠の過不足との関連を明らかにすることは、我が国の健康における睡眠の重要性を示す貴重なデータとなる。さらに、本研究の成果としてまとめる睡眠指導プランは、我が国の生活習慣病予防対策の新しい柱として貢献が期待される。
|
研究成果の概要 |
睡眠習慣が生活習慣病におよぼす影響の解明を目的に、まずは単一施設人間ドックの健常受診者5,518人を横断的に、1,515人を前向きに解析したところ、横断的な単変量・多変量解析の両方で、睡眠は肥満と有意に関連した。前向き観察研究の結果、肥満発症に対する睡眠のハザード比は6時間群に比べ6時間未満群で高く、7時間群で低い傾向を認めた。この結果をもとに大規模多施設共同コホート62,056人を解析したところ、横断・縦断的な解析のいずれも同様に有意な相関を認め、結果をまとめた論文を作成中である。7時間程度の睡眠時間の確保が、成人の肥満予防に有効である可能性が示唆され、前向き介入研究の計画を進めている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
睡眠の不足・過剰と生活習慣病との関連に関する多くの研究が、欧米を中心に実施されてきたが、日本におけるデータの集積・解析は乏しい。本研究により、肥満発症の予測因子が、望ましくない睡眠習慣(短時間睡眠)であることが示され、肥満予防対策の一つとして、成人男女ともに7時間程度の睡眠が有効である可能性が疫学的に明らかとなった。この結果をもとに『睡眠指導要領』を作成し、前向き研究【科研費22K11255】の準備を開始している。睡眠保健指導が、実際に睡眠時間を延長させるのか、肥満予防に寄与するのかを検証し、生活習慣病予防における食事・運動指導に並ぶ第三の柱「睡眠指導」を確立し、我が国の健康増進に貢献する。
|