研究課題/領域番号 |
20K19209
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
瀬戸 清華 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (80805614)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ALS / ピアサポート / 当事者性 / プログラム / 支援 / 物語 / 支援プログラム / 相互理解 / 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / 様相 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の難病治療はQOL向上が主要目標であり、社会参加や互助の強化の面からピアサポートの重要性は高い。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者間においても、患者集会への参加や意思伝達装置を介してのやりとりによってピアサポートを発生させている。 ALS患者・家族はピアサポートを通じてどのような病いの物語が語り、相互に何を得ているのか、その様相に適応したピアサポートの支援プログラムの試案を作成することを目的に、患者集会など患者の外出によってピアサポートが発生する場と、在宅に居ながら意思伝達装置を介してピアサポートが発生する場の実態と課題について混合研究法で明らかにし、支援プログラムの試案の有用性を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、ALS患者がピアサポートを通じて当事者間でどのようなやりとりを行い、そのやりとりによって相互に何を得ているのか当事者間のピアサポートの様相を明らかにすることと、様相に適応したピアサポート支援プログラムの試案を作成することを目的としている。2023年度は以下のことを実施した。 支援団体による全国の患者会のピアサポートに参加し、参加者の人数や会の目的・内容、患者同士のやりとりや交流を見学し研究方法の再検討を行った。 また、参加を重ねALS患者間のピアサポートの機会に入り込み、関係構築を行うことによって、当事者間のやりとりの関連性や、会を超えた会話の連続性の視点を強化し、エスノメソドロジー手法をもちいた分析を行った。 つながりの連続性は、病状の進行や会への参加困難を理由に、意思伝達装置や電子機器を用いたSNSやメールという方法に変えて保持していた。つながりを保持するためには当事者以外にも支援者が必要になる状況を生み出していることがみえてきており、当事者側からみたピアサポートは、場のちがいや対面/オンラインなどの開催方法のちがいによって、支援の内容が大きく異ならない状況があると考えられる。 このことから、2024年度は、調査をもう数例重ねたうえで内容の分析を進め、取り出した支援の要素をもとに、支援プログラムの試案を作成・提案する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19の流行により研究フィールドの確保が困難であったために調査が遅れていたが、研究デザインや方法の再検討と変更により、調査を開始できた。 しかし、調査が目標数に達していないうえ、研究協力者の体調面の問題などから調査が途絶えることもあった。支援者や当事者とともにピアサポートの場を作り出すことの進行・運営に難儀したほか、データの理論的飽和までに時間を要していることから、これまでの遅れを取り戻せていない状況にある。 調査内容の分析においてサポートを受けられる環境が整ったため、ALS患者同士に広がるやりとりを丁寧に分析し、当事者間のやりとりの様相に応じた現代にあった支援プログラムを作成する。
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今後の研究の推進方策 |
これまでつながった患者の生活のなかでのピアサポート場面に入り込むほか、6月から8月に予定されている支援団体によるピアサポートの場に参加し、調査・分析を進める。この間、継続して所属大学の難病にかかわる研究者や、ピアサポートの当事者研究に精通した研究者と定期的にミーティングを重ねることで、研究スピードを加速させる。支援プログラムの試案を支援団体を通して当事者や支援者に提案し、試案したプログラムに関しての意見を得る。
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