研究課題/領域番号 |
20K19210
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
上田 映美 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (40826559)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 下腿浮腫 / 足背 / 圧迫療法 / 血流 / 静脈還流 / 高齢者 / 浮腫 / 圧迫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、高齢者の座位によって発生した足背部浮腫を軽減させるための室内靴を開発することである。 研究は3段階に分けて実施する。第一段階は健常人にて浮腫軽減効果が最も得られる足背部の圧迫圧を明らかにする。第二段階では、座位によって発生した足背部浮腫を有する高齢者を対象に浮腫軽減に最も有効な圧迫圧を明らかにする。第三段階では、座位によって発生した足背部浮腫を軽減する室内靴を開発する。
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研究実績の概要 |
介護保険施設や在宅で過ごす高齢者の足背部浮腫を軽減する室内靴を開発するため、高齢者福祉事業を展開する事業所に従事する職員が圧迫を実施するうえで抱えている問題点を明らかにし、どのような圧迫商品を求めているのかのニーズを把握ことを目的に研究を実施した。対象者は北陸3県にある高齢者福祉事業を展開する事業所458施設の職員とした。委託業者が対象施設に電話面接を実施した。面接内容は、1)回答者の基本属性、2)下肢浮腫のある高齢者の割合、3)下肢浮腫をもつ高齢者に対し、実際に圧迫を実施している高齢者の割合、4)下肢浮腫のある高齢者に対して、圧迫を実施しない理由、5)弾性ストッキングを着脱する際に感じる不満、6)圧迫商品としてどのようなものを求めているかとした。 結果は、458施設中、207施設から回答を得て、回答率は45.2%であった。高齢者施設の約9割の施設に下肢浮腫をもつ高齢者がおり、圧迫を実施していない施設は約6割であった。圧迫をしない理由は「圧迫実施によるトラブル発生回避」が最も多く28%であった。弾性ストッキングの使用の際に感じる不満は、「つま先からかかとの部分を履かせることが大変」が最も多く73.4%であった。圧迫商品のニーズは、対象者の自由回答内容を切片化しカテゴリ化した。カテゴリ化の結果、6カテゴリ、28サブカテゴリが抽出した。 今後、対象者から得た圧迫商品のニーズにあった商品開発を実施する必要があることが明らかとなった。 足背部浮腫に最適な圧迫圧の検討は、プレ実験が終了しプロトコルを確立し6名の実験データを収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
商品開発に向けての圧迫商品のニーズ調査が終了し、商品の具体的なイメージができた。 共同研究を行う企業に関しては、学内のシーズ・ニーズマッチングシンポジウムへの参加やものづくりに精通した専門家からの助言を得て現在実施している。 また、足背部にかかる圧迫圧を決定するため、現在データを収集している。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者事業に携わる職員からのニーズ調査から、現状ある弾性ストッキングにて、履きやすい商品を求めていくことも一案であることが明らかとなった。今後繊維工業の企業へのヒアリングを重ね、実行可能性が高く高齢者が無理なく使用できる圧迫商品の開発を進めていく予定である。
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