研究課題/領域番号 |
20K19224
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東邦大学 (2021-2023) 東京家政大学 (2020) |
研究代表者 |
植村 直子 東邦大学, 健康科学部, 講師 (90510347)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 保健師 / ケイパビリティ / 住民組織 / 自助グループ / 自主グループ / 看護実践能力 / グループ支援 / ガイドライン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「保健師としての自己効力感、他者と協働する姿勢、物事がうまく進まない状況に遭遇した時に、創意工夫をしながらアイデアや解決策を見出す力」というケイパビリティの概念に基づいた「コミュニティグループ支援のガイドライン」を作成する。文献検討により保健師のコミュニティグループ支援に関するケイパビリティの具体的内容を検討し、ヒアリング調査および質問紙調査によりガイドライン案を作成する。そして、ガイドライン案の妥当性と有効性について実践への適用により検証し、ガイドラインとして提示する。このガイドラインは、保健師が創意工夫を繰り返しながら、コミュニティグループ支援に取り組むことに役立つものである。
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研究実績の概要 |
保健師を対象としたインタビュー調査を実施し、保健師のコミュニティグループ支援におけるケイパビリティの内容を分析した。調査対象者は4名(実務経験は7~22年)で、インタビュー逐語禄より、118コード、27サブカテゴリー、7コアカテゴリーを抽出した。「メンバーが力を発揮しグループ活動が軌道に乗るよう段階的に支援する」「グループ運営の課題に対してメンバーが工夫して取り組むことをサポートする」の2つのカテゴリーは、保健師の具体的な支援内容であった。一方で、保健師がこうした支援に取り組む基盤として、「楽しくグループ活動に取り組み地域住民が支えあう関係性ができることを目指す」「メンバーを気にかけることやサポーターと協力することを大事にする」「グループ活動の運営に関する課題を把握する」「経験による気づきから支援のあり方を学ぶ・活かす」という一連のサイクルが示された。以上の成果は、第12回日本公衆衛生看護学会学術集会で発表した。また現時点で、論文投稿中である。 次に、上記インタビュー調査の結果と文献検討を踏まえ、保健師のコミュニティグループ支援ガイドライン項目案を作成した。ガイドラインは55項目で構成され、各項目の重要度について、「極めて重要である」から「あまり重要でない」の4件法で保健師の意見を聞くデルファイ調査を実施する準備を完了した。次年度、5月中旬から9月に2回のデルファイ調査を実施し、ガイドラインを完成させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定よりは遅れているものの、計画に沿って保健師を対象としたインタビュー調査を終え、その分析結果を学会で発表し論文投稿した。また、保健師によるコミュニティグループ支援のガイドライン項目案を作成し、次年度のデルファイ調査の実施準備が完了できた。次年度は、今年度の進捗を踏まえ、計画を遂行できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
5月中旬から9月にかけて、保健師のコミュニティグループ支援ガイドライン案55項目について、保健師を対象としたデルファイ調査を2回実施する。1回目調査において、各項目の重要度を「極めて重要である」から「あまり重要でない」の4件法で回答を求め、重要度が高いと判断した項目を選定する。また、項目案には示されていないが、保健師がコミュニティグループ支援を行う上で重要であると自由記述欄に回答された内容を加え、ガイドライン修正案を作成し、2回目調査を実施する。2回目の結果を踏まえ、保健師のコミュニティグループ支援ガイドラインを完成させる予定である。
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