研究課題/領域番号 |
20K19232
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 神戸大学 (2021-2023) 大阪医科大学 (2020) |
研究代表者 |
山本 暁生 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (30758842)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 慢性呼吸器疾患 / セルフマネジメント / ICT / 慢性閉塞性肺疾患 / 在宅医療 / COPD / モバイルアプリケーション / ウェアラブルセンサ |
研究開始時の研究の概要 |
慢性閉塞性肺疾患の労作時の息切れは患者の活動を低下させる要因であり、低い身体活動性は生命予後の危険因子でもある。息切れを軽減する目的で呼気終末での気道閉塞を緩和するために口すぼめ呼吸等が指導される。しかし、指導された口すぼめ呼吸法が動作中にどの程度、実施されているのかは未解明であり、簡便に手技の定着を評価できる支援デバイスも未確立である。本研究は、在宅で利用できるセルフマネジメント教育の支援システムを開発することを目的に、①国内外で実用されているアプリケーションの実態と効果の調査、②呼吸位相計測を用いた口すぼめ呼吸法のモニタリングシステムを確立し、呼吸訓練アプリを実装する。
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研究実績の概要 |
本研究は、慢性閉塞性肺疾患者に対して増悪を防ぐセルフマネジメントに活用できる支援機器の開発に向けた基礎的な調査を行っている。2023年度は引き続きモバイルアプリケーションを用いたセルフマネジメントに関する先行事例の文献調査を行った。複数の電子データベースを用いて無作為化比較試験で急性増悪、死亡を主要評価においたモバイルアプリを用いた介入研究を検索して文献の選定および精読を続けた。これまでに複数の文献で患者自身のセルフモニタリング(バイタルサイン測定等)、症状観察(呼吸状態の主観評価等)に加えて、服薬記録、疾患情報の提供、テキストメッセージによる励まし機能などが工夫が実装されたICTの支援機器が報告されていた。これらの要素が支援機器の要件として必要または十分であるのか引き続き文献調査を進める必要がある。 今年度も計画に沿って複数の学会へ参加して情報収集を行った。看護職でのセルフマネジメント支援の動向について在宅看護、外来看護の分野で進められていること、生活習慣病支援の公衆衛生看護分野でもICT機器を使った遠隔でのセルフマネジメントの事例等について確認された。呼吸器疾患を持つ患者に対する看護職のセルフマネジメント支援では、新型コロナウイルス感染症の流行が受診方法に電話相談が増えたり、感染対策により外来での看護支援が十分に行えないなどの課題があったことが分かった。その一方で、ICTを用いた遠隔での医療サービスの提供が進んだことから、患者・医療者の双方がセルフマネジメントの支援機器を受け入れる土壌が作られつつあると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
慢性呼吸器疾患患者のセルフマネジメント介入に有用な支援機器の文献調査に時間を要した。資料整理のための事務支援を活用したり、翻訳ソフトを導入するなどして効率化を図りながら取り組んでいるが、系統的なレビューのために必要な論文の最終選定に要する独立した査読者の選定が課題となっている。また教育や他の業務量が増大し、エフォートを十分に当該研究にかけられず作業が遅延してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も慢性閉塞性肺疾患をもつ在宅療養患者のセルフマネジメント介入に利用できる支援システムについての文献調査を最優先に取り組む。研究のペースを更に高めるために、文献管理、翻訳支援ソフトの活用、資料整理の事務補佐の雇用などを次年度も続ける予定である。独立した査読協力者の確保は早急に取り組みたい。オンラインの査読支援ソフトなど今年度に新たに情報を得たソフトの活用も次年度は行っていく。最新の研究成果について国内外の学術集会へ参加することで情報収集を行う。
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