研究課題/領域番号 |
20K19233
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 福岡看護大学 |
研究代表者 |
町島 希美絵 福岡看護大学, 看護学部, 准教授 (90767443)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 姿勢検知技術 / 姿勢の崩れ / 誤嚥リスク評価 / 姿勢の崩れ検知 / 情報技術 / 深層学習 / 認知機能のアセスメントツール / アプリケーション / 認知症高齢者 / 認知機能 / 摂食・嚥下機能 / 経口摂取 / アセスメントツール |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では,従来の認知症スクリーニングテストや個々の摂食・嚥下機能評価とは異なり,認知症高齢者の食事場面の様子から口腔内および摂食・嚥下機能とそれに関連する認知機能を評価するアプリケーションツールを開発する.ツールは2種類から成る.1つは,認知障害の種類や重症度別に評価項目を設定し,口腔内および摂食・嚥下機能の客観的評価を可能とするアプリケーションツールである.もう1つは,摂食・嚥下機能に影響を与える要因として,人的・物理的環境,感情,姿勢,周囲との位置関係などの情報を分析するツールである.これら2つの評価ツールの有効性を検証する.
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研究実績の概要 |
本年度の研究課題として、「認知症高齢者の食事摂取にかかる一連の過程を客観的に測定する評価ツール」の作成を目指した。画像に映っている人物の姿勢をディープラーニングで推定するシステムを使用して、姿勢計測を行うとともに、誤嚥しやすい姿勢角度を推定し、「姿勢の崩れ」評価を行う。具体的な計画として、若年者などの健常者を対象に、さまざまな活動の開始前から終了時までの姿勢を計測し、誤嚥しやすい「姿勢の崩れ」とみなす姿勢角度を推定し、複数の専門職に、「姿勢の崩れ」評価を依頼し、その妥当性を検証するように考えた。食事時における誤嚥しやすい姿勢の検知に関しては、客員研究員として在籍していた大学院博士課程の元指導教員の研究室に協力を求めた。正常な座位姿勢から、頸部後屈位、および仙骨座りへとそれぞれ段階的に変化させ、その時の姿勢を横から撮影しし、骨格画像を推定するシステム(open pose)を使用して、被験者の体の各部の座標をとった。2名の専門職に、通常画像と骨格画像を提示し、誤嚥の危険性が高い場合は停止、誤嚥の危険性が低い場合は、継続と判定してもらった。2者間の判定結果は、再現性が高く、姿勢検知技術を活用した誤嚥リスク評価ツールは、介護者が食事を継続または中止を適切に判定するために活用できる可能性が示された。しかし、本研究課題が、「食事」を前提とした取り組みであることから、食事場面の被験者実験を行うことでCOVID-19の暴露の危険性が高まるため、被験者への安全性を考慮した上で、食べるという食品を用いた動作を避けたこと、また、食事中にとりやすい姿勢を他の動作で代用した実験となった。したがって、今後は、実際に、要介護高齢者の生活の場で、食事時の姿勢の崩れが測定できるよう、研究をすすめたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度の研究課題として、「認知症高齢者の食事摂取にかかる一連の過程を客観的に測定する評価ツール」を作成し、被験者実験に進む予定であった。しかしながら、一昨年から続く、COVID-19蔓延により、研究協力を依頼している研究室との打ち合わせが、対面ではなくすべてweb上で行うこととなり姿勢検知技術の開発に時間を要したことと、若年者実験で撮影した多くの画像から判定に使用する画像の準備をすすめるのに、予定よりも時間を要した。また、実験データの管理上、対面で実施する必要があったため、専門職に誤嚥リスク評価を行っていただくタイミングが、COVID-19の感染状況が落ち着いた時期に設定したことで、さらに遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況をもとに、摂食・嚥下機能に関する専門学会で発表する予定である。今回の成果を公表するとともに、実際に、要介護高齢者の生活の場で、食事時の姿勢の崩れが測定できるよう、被験者実験をすすめたい。
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