研究課題/領域番号 |
20K19239
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
板谷 智也 金沢大学, 保健学系, 助教 (10765192)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 看取り / 地域包括ケア / 多職種連携 / 在宅医療 / 在宅看護 / 在宅ケア / 訪問看護 / 多死社会 / 在宅介護 / 多死 / 住民参加 |
研究開始時の研究の概要 |
石川県能登地域では多死社会を迎える。全国統計では、死亡場所の大半は病院であり能登地域でも同様だと考えられるが、一方で平均在院日数は短縮傾向にある。能登地域で介護施設等を含め看取りの場所として十分な許容数はなく、いわゆる看取り難民の発生が懸念され。能登地域では在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションが少なく、在宅看取りの環境は十分ではなく、看取りの体制づくりが急務である。本研究は看取りに関する能登地域の住民の意識調査と住民参加型交流会を実施し、在宅医療・介護の整備と看取りに関する住民の協力体制を「健やかな看取り環境」として創り、その一連をまちづくりのかたちとしてモデル化することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
看取りに関する調査およびフィールドワークについては計画通り実施した。羽咋市職員および羽咋市で働く専門職と、市内の看取りの現状と課題について情報交換を行った上で、看取りに関する知識と技術に関する研修会を行った。研修会は看護職および介護職、大学病院に勤務する研修医、石川県内の市町の行政職員のうち地域包括支援センターや在宅ケアに関わる職員に対して行った。本研究の調査の中で「市民の看取りに対する意識」が在宅でのより良い看取り環境を構築するために重要であることがわかった。そこで、市民の看取りに対する啓発動画を作成した。 【研修会の実施内容】令和4年度石川県在宅医療・介護連携推進担当者研修・看取りについての意見交換会「介護職の方から看取りに関する思いを報告・グループワーク」・アドバンスド・ケア・プランニング:ACPとは何か?―臨床医だからできる患者・地域住民の意思決定支援―・介護職に対する看取り研修会「みんなで考える看取り」・羽咋市ナースの集い「看取りに関するインタビュー調査報告会について」 【動画作成について】 羽咋市職員と専門職らとともに、市民向けの看取りに関する啓発動画「わたしのきもち」を作成した。これは、看取りの一場面を専門職らが役者となって演じたものであり、市民に看取りの実際をイメージしてもらい、アドバンスドケアプランニングにつなげるための動画である。この動画は羽咋市公式YouTubeチャンネルで公開されている。この取り組みについては北陸中日新聞やネット雑誌(m3.com)の記事として取り上げられた。またNHK金沢放送局の取材も受け、2023年4月に「かがのとイブニング」で報道された。 これまでの取り組みについては学会にて報告を行っており、今後は学術論文にまとめ発表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、羽咋市専門職に対する調査や話し合いが進められており、それを踏まえた研修会等も実施できた。また、市民に対して「看取り」のイメージを持ってもらうための動画も作成ができ、市のホームページで公開することができたので、進捗状況は順調と考える。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、介護職や看護職などの専門職に対する研修会を行っていく。また、市民の「看取り」への意識を高めるため、市民対象の公開講座等の開催を予定しており、羽咋市職員と検討を行っている。市民講座では、啓発動画「わたしのきもち」を活用する。 市民講座の後、これまでの取り組みが羽咋市民の「看取り」への意識に対して、どのような影響を与えたかを検証するため、市民対象のアンケート調査を実施する予定である。アンケート調査の分析方法については、本研究の開始時に、市民の看取りに関する意識調査を行っているので、その結果と比較しながら効果について検証していく。 また、この研究は事前の市民へのアンケート調査、専門職へのインタビュー、それらを踏まえた研修会、啓発動画の作成という様に一連の流れがあり、これが本研究のテーマである「健やかな看取り環境を創る」というまちづくりの形と考えている。よって、これを「モデル」として、一連の取り組みを論文にまとめ発表する予定である。
|