研究課題/領域番号 |
20K19242
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤田 貴子 九州大学, 医学研究院, 助教 (00822511)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パーキンソン病 / レセプトデータ / 介護保険データ / 医療費 / 予後 / 睡眠薬 / 骨折 / 介護 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病は高齢者に多くみられるが、受診歴のある者の3分の2程度は重症度等により指定難病医療費の受給がなく、行政による難病事業等の対象となっていない可能性がある。生活の質を保つためには、適切な医療・介護を受け、重症化予防や転倒等による骨折や誤嚥による肺炎に伴う寝たきり等を防ぐことが重要である。そこで、本研究では、医療・介護サービス利用が患者に与える影響について評価する。
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研究実績の概要 |
本研究は、パーキンソン病の診断がついた高齢者を対象とし、①医療・介護サービス利用状況、②定期的な医療・介護サービスの利用が入院に与える影響、③睡眠薬使用が転倒に伴う骨折に与える影響、について定量的に評価するものである。2020年度、2021年度は上記①②について分析し、学会発表を行い、論文が国際誌に掲載された。 2022年度は、レセプトデータを用いて上記③の分析を行った。高齢者への睡眠薬使用については、種類によっては転倒といった有害事象発生のリスクが高いため、国内外のさまざまなガイドラインにおいて処方しないことが推奨されている。一方で、特に注意喚起がされていない睡眠薬については、有害事象の発生結果が先行研究によって異なるため、さらなる研究報告が求められていた。2022年度の本研究では、睡眠薬処方の実態について横断研究を行った。その結果、患者の約半数が処方を受けており、特にガイドラインでも推奨されていないベンゾジアゼピン系の処方割合が高いことが明らかとなった。この結果については、学会発表を行った。 また、睡眠薬の処方歴のない5,009名の患者を対象とし、ネステッドケースコントロールデザインを用い、処方された睡眠薬の種類別に外傷の発生について分析した。その結果、ガイドラインで注意喚起がされていない睡眠薬であっても、パーキンソン病患者では大腿骨骨折のリスクを著しく増加させることがわかった。この結果については、論文を投稿し、現在査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の当初計画では、2020年度、2021年度は高齢パーキンソン病患者の定期的な医療・介護サービスの利用が入院に与える影響について評価を行うこととし、論文が掲載された。2022年度は、高齢パーキンソン病患者における睡眠薬使用による外傷リスクについて評価を行い、学会発表を行った。論文を作成し、国際誌において現在査読中であることから、研究遂行はおおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度以降もパーキンソン病患者について、レセプトデータ・介護保険データを利用して研究を継続する予定である。患者の予後には、生活習慣や生活習慣病の罹患状況が関連するため、これらに関連する先行研究の整理や既存データの分析を行う予定である。
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