研究課題/領域番号 |
20K19260
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 北陸大学 (2023) 京都橘大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
合田 明生 北陸大学, 医療保健学部, 講師 (90823427)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 問題行動 / 非薬物療法 / コミュニケーションロボット / 神経生理学的要因 / 認知症 / 地域在住高齢者 / 介護予防 / 地域包括支援 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症に伴う問題行動(BPSD)は認知症高齢者の在宅生活の継続を阻害する主な要因である。近年,その対応方法として非薬物療法が行われ,主に行動学的な観点から一定の効果が報告されている。しかし,非薬物療法がどの様にBPSDを緩和するのか,その効果に対する神経生理学的メカニズムは未だ明らかでない。本研究では,BPSDを有する認知症高齢者に対してランダム化比較試験によって,非薬物療法によるBPSDの緩和効果およびその効果に関連する神経生理学的指標を明らかにする。この結果からBPSDに対する非薬物療法の科学的根拠を示し,地域在住の認知症高齢者に対する効果的なBPSD緩和プログラムの開発へと発展させたい。
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研究成果の概要 |
この研究は、認知症高齢者の問題行動を軽減する非薬物療法の効果を調査することを目的とした。認知機能低下の高齢者を対象に、ロボット介在療法(Robot Assisted Activity:RAA)を使用し、短期および長期の効果を評価した。単回のRAAセッションでは、認知症高齢者は即時的なリラックス効果を感じにくいことが示唆された。一方、長期的なRAA介入(3ヶ月間)では、問題行動の緩和は認められなかったが、脳波解析により長期介入後にPz領域のα/βパワー比が有意に増加し、精神的リラックス効果が確認された。以上から、RAAが認知症高齢者にポジティブな感情とリラクゼーションをもたらす可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究により、RAAが認知機能低下のある高齢者において精神的なリラックス効果をもたらす可能性が示された。RAAを用いた介入手法が確立されれば、認知機能低下のある高齢者の日常生活の質の向上や介護者の負担軽減に寄与する可能性がある。具体的には、RAAが対象者の問題行動を緩和し、介護者と高齢者のストレスを減らす手助けになると期待される。今後は、RAAの効果を最大限に引き出すために、コミュニケーションロボットの改良や介入プログラムの最適化が必要である。
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