研究課題/領域番号 |
20K19263
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 千里金蘭大学 (2022-2023) 藍野大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
佐藤 文子 千里金蘭大学, 看護学部, 准教授 (80512417)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 外国人ケア労働者 / 多文化共生 / 経済連携協定 / 職場定着 |
研究開始時の研究の概要 |
日本は少子高齢化を背景に、医療や介護施設で働く労働者の確保が年々厳しくなっている。現場ではEPAによる外国人候補者の受け入れに大きな期待が寄せられていたものの、彼らが労働力として定着していないという課題が生じている。日本は外国人ケア労働者を受け入れるホスト国として、職場における多文化共生を推進していく責任があるが、そのような取り組みは医療・介護の現場でほとんどみられていない。このような背景から、本研究は、職場での多文化共生が促進され、外国人ケア労働者が日本の職場に定着するためにはどのような支援が効果的であるのかを深く探求していくものである。
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研究実績の概要 |
2008年度から開始した外国人労働者の受け入れに伴い、日本の医療・介護施設において徐々に国際化が進んでいる。しかしながら、多文化共生の実現に向けた取り組みは殆どみられず、外国人ケア労働者が日本の職場に定着していないという課題が生じている。 2021年度に外国人労働者を受け入れている医療施設(137施設)を対象に、アンケート調査を実施したところ、21施設から回答を得ることができた。 「日本の医療現場で多文化共生を促進するためにどういった支援が効果的だと思いますか。」という問いに対する自由記述回答について、KhCoderで共起ネットワーク図を作成した結果、6つのサブグラフが示された。特に、頻出頻度の多かった抽出語である「文化」や「理解」を含むグループの回答例では、「受け入れ側である日本人職員自身の多文化理解を促進すること」、「受け入れる側の施設職員が相手国の文化や生活習慣、国民性等を理解し、全体で協力支援できる体制を整える」などの記述がみられた。また次に多かった頻出語である「候補者」「国」を含むグループの回答例には、「来日する目的がなにであれ、臨床の現場で命をつなぐ思いは国を超え共通であることを知り、その上で相手(外国人労働者)の声や主張に真摯に耳を傾ける姿勢を受け入れ側が持つこと」といった回答であった。 多文化共生の促進について、何か特別なことを現場で実践しているわけではなく、外国人看護職と日本人看護職が日常業務の中で協働し、その時々で話し合い、認め合い、そして折り合いを付けながら現場を動かす過程において、その施設独自の「多文化共生」が育まれているものと考える。外国人看護職を受け入れた経験豊富な施設の知見を蓄積し、全国に発信していくことで、受け入れ年数が浅い施設での「多文化共生」を促進するきっかけになると考える。今後、さらに考察を深めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症対策にかかる追加業務や行動制限が発生したため、当初の研究計画から大幅に遅れている状況である。所属大学における、倫理審査の手続きなどもコロナの感染対策により、開催が遅れてしまったことなども要因の一つである。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の影響により、大幅な計画の遅れが生じてしまったが、2020年度にアンケート調査の実施と回収、2021年にデータ入力と整理、2022年度にデータの分析を一定程度進めることができた。これらの結果を踏まえながら、今年度中に、論文作成に取り組んでいく予定である。
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