研究課題/領域番号 |
20K19264
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 関西福祉大学 |
研究代表者 |
濱西 誠司 関西福祉大学, 看護学部, 准教授 (80633007)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
|
キーワード | 避難所 / 被災者 / 段ボールベッド / 体圧分散能 / 睡眠の質 / 睡眠脳波 / 災害用マットレス / 体圧分布 / 筋骨格系への負荷 / 簡易ベッド |
研究開始時の研究の概要 |
避難所となる体育館等の床は断熱効果が低い上、床が硬い為に体圧が分散されにくく、被災者の睡眠の質を低下させる一因となる。近年、避難所に導入され始めた災害用段ボールベッドは断熱効果が高いことが報告されているが、その体圧分散効果については明らかにされておらず、睡眠に及ぼす効果についても不明である。そのため本研究では、模擬避難所に雑魚寝した際の体圧分布および睡眠脳波等を簡易ベッドを使用時と比較することで、避難所における雑魚寝が被災者の睡眠に及ぼす影響度と簡易ベッド導入による改善効果を定量的に評価する。本研究成果は、大規模災害に対する自治体の備蓄計画を検討するための科学的知見となることが期待される。
|
研究実績の概要 |
我々は避難所に導入されるようになった段ボールベッドの使用が、避難者の腰背部痛の予防にどの程度寄与できるか明らかにすることを目的に研究を進めてきた。段ボールベッドは、床面からの高さを確保することができるため、避難所で問題視されてきた床からの冷気や粉塵の吸引を軽減することが報告されている。また、高さの確保によって起立や着座動作も楽になることから、高齢者の寝たきり予防にも寄与できることも利点として挙げられている。しかし、ダミーモデルを用いて確認した結果、布団やマットレスを使用しない場合には床に直接臥床した場合と体圧分布に差がないことが示唆された。避難所運営ガイドラインでは避難所において毛布以外の寝具は自治体が備蓄すべき物資に指定されておらず、布団等の寝具については発災後3日経過した時点で設置すべきか自治体ごとに検討するよう定められている。そのため、従来より懸念されている南海トラフ地震のような巨大地震発生時には自治体の協定に基づき段ボールベッドが提供されたとしても、布団等の提供が間に合わないことが考えられる。そこで、耐水性を有するシート状の物から荷物の梱包に用いる気泡緩衝材が災害用マットレスの代替品となりうる可能性があると考え、災害用マットレス使用時の体圧分布との比較を行った。段ボールベッド単体で使用した場合と比べても体圧分布に変化はなく、災害用エアマットレスの代替品とはなりにくいことが示唆された。しかし、主観的な快適性は改善しており、気泡緩衝材の条件を変えることで体圧分散も改善できる可能性がある。さらに、段ボールベッドに臥床した際の体圧分布を海外の避難所で一般的な簡易ベッドに臥床した場合の体圧分布と睡眠の質についても比較検討を行うためのデータ収集が終了しており、令和5年度は成果発表を行なっていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍において、人を対象とした実験を実施することができなかったために、当初の計画よりも進捗が遅れている。しかし、すでに研究成果として2本の論文を投稿済みであり、計画している最後の研究についても計画しているデータはすでに取得済みであり、2023年度中には成果発表できる見込みである。
|
今後の研究の推進方策 |
研究の完遂に向けて取得すべきデータは既に取得済みであるため、2023年度は国内外の学術集会ならびに国際ジャーナルにて研究成果を発表できるよう準備を進めていく予定である。
|