研究課題/領域番号 |
20K19269
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東大阪大学短期大学部 |
研究代表者 |
野口 代 東大阪大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (80744854)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 認知症 / タイムシフト / BPSD / 介護 / 災害 / 危機認識 / Therapeutic lying / 研修 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症の人が古い過去の記憶の中で生きているような状態は「タイムシフト(Time-shifting)」現象と呼ばれている。このような人は現実の危機認識も低下しており、緊急時に避難行動を起こさない可能性も示唆され、その対応は重要な課題である。本研究では、どのような人が、どの程度タイムシフトするのかについて、より詳細かつ正確なデータを得る。さらにタイムシフトのある認知症の人への支援方法を確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
認知症のタイムシフト現象の実態とその関連要因を明らかにし、支援方法を確立することを目的として研究を行った。家族介護者への調査の結果、他のタイプの認知症よりもアルツハイマー型認知症でタイムシフトすることが多く、要介護度が高い人ほどタイムシフトしやすく、さらに若年の人ほどタイムシフトしやすいという結果が得られた。またタイムシフトへの効果的な対応方法とされているTherapeutic lying(治療のための嘘)の調査から、認知症の人に嘘をついたことがあると回答した人が89.2%、それによりうまくいくことがあると回答した人が94.1%、問題が起こることがあると回答した人が32.6%であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、認知症ケアの大きな課題の1つであるBPSDの予防につながる点で意義が大きいと考えられる。またタイムシフトを起こした認知症の人は、現実の危機認識も低下しており、緊急時に自分からは避難行動を起こさない可能性が指摘されてきた。そのため、タイムシフトしやすい人の特定や、避難誘導時における適切な働きかけや対応、つまり治療のための嘘を用いた支援方法の解明は、認知症の人と介護者の緊急時・災害時の安全にもつながる点において大きな意義を持つと考えられる。
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