研究実績の概要 |
本研究は、自律神経活動のバランスに着目し、地域で暮らす65歳以上の活動的な高齢者の自律神経活動の特徴を明らかにすることを目的としている。日本は世界一の長寿国であり、平均寿命が延びるなか介護を受けることや寝たきりにならずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」は平均寿命より約10年短いと言われているが、歳を重ねても元気で仕事や趣味、社会貢献などを行い、自立している高齢者は多く存在する。本研究は、65歳以上で、現役と変わらないくらいに仕事をしたり、趣味やボランティアに勤しんでいる活動的な高齢者を特徴を明らかにして、健康寿命の延伸に向けた看護介入を目指している。対象者の心電図による自律神経活動、睡眠状況に加え、体内組成や筋肉量や体内水分量、握力、体内年齢、基礎代謝などと共に、活動能力指標や老研式活動能力指標などから自立度を測定した。 2023年度も新型コロナウイルス感染症拡大に伴う教育研究活動の自粛や、対象者が高齢者であることから研究に支障をきたすことが多く、限られた期間に少しずつしか実施ができない状況にあったが、前年度投稿していた特徴的な高齢者のCase Studyが10月にアクセプトされた。 Sato Miki, Tanioka Ryuichi, Betriana Feni, Kyoko Osaka, Zhao Yueren, Tetsuya Tanioka and Takahashi Akira : Characteristics of Sleep and Autonomic Activity in Active Older Adults Based on Metabolic Age: A Comparative Case Study, Open Journal of Psychiatry, Vol.13, No.4, 229-245, 2023. また、12月からは被験者の中から年齢に比して筋肉量の多く体内年齢が10歳以上若くて元気な高齢者の生活についてインタビューを行った。高齢者の為、新型コロナウイルス感染症やその他の感染症に留意しながらのインタビューのため、日程や時間の調整に苦慮したが、現在それらをデータ化してまとめている。
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