研究課題/領域番号 |
20K19283
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
大内田 博文 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (50806338)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / 語想起 / 意味記憶障害 / リハビリテーション / 語の流暢性課題 / 意味ネットワーク / アルツハイマー病 / カテゴリ特異性 / 神経ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)は語想起障害を認め、その基底に意味記憶障害が存在すると考えられる。語の意味記憶の貯蔵は側頭葉にあり、語は様々な意味素性が結合し意味を形成すると考えられている。側頭-頭頂領域の萎縮を来たすAD は病態の進行とともに語の意味に関わるネットワークが障害される可能性がある。本研究が目指すものは、脳機能解析結果をもとに意味記憶障害を評価し、重症度に応じた語想起の促進方法を検討することである。本研究の成果は、AD患者の語想起を促進する方法を見出すのに重要な知見を提供するものであり、AD患者の要求や会話時の情報の伝達を円滑にすることにつながる。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー型認知症(Alzheimer’s disease:AD)は、動物の名前を多く発話するといった語の流暢性課題において、意味記憶障害が重篤なほど語想起が困難であった。また、ADは意味的に関連する語を連続して想起することが少ないことから、意味ネットワークの賦活が弱いと考えられた。その場合、ADは意味概念に基づくヒントを提示すると語の想起が促進されると考えることができ、研究をおこなった結果、意味記憶障害が軽微な軽度ADはヒントにより語の想起が促進されたが、中等度ADにはそのような傾向は認められなかった。このことから、ADの語想起障害に意味記憶障害が関係することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
語想起障害は、語が想起されず会話が続かない、発話量が減少するといった症状と関連する。ADの語想起障害について検討することは、適切なコミュニケーション支援を検討するうえで重要である。 本研究の成果は、病態別の特徴を明らかにし、ADの重症度に合わせた関わり方を行うことを示した。軽度AD患者との会話では、 語が想起できない場合に、聴き手が文脈や状況から考えられる語や関連する意味情報を提示し、語の想起を促進する等の配慮を行うことが重要と考えられる。中等度AD患者は語の意味記憶の低下顕著であることから、言語情報に限らず、他のモダリティ、例えば視覚情報を活用し、会話を促進する等の配慮が重要と考えられる。
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