研究課題/領域番号 |
20K19299
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
林 真太郎 森ノ宮医療大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (00846397)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 自己認識 / 転倒予防自己効力感 / フィードバック / メタ認知 |
研究開始時の研究の概要 |
転倒予防はリハビリテーションにおいて適切な対策が必要な喫緊の課題だが、高齢者では転倒要因が内的・外的要因含め多岐に渡るため、特定の要因にだけ特化した介入では不十分になり得る。そのため高齢者自身が自己の状態に気づき、転倒しうる要因を適切に認識して主体的に行動できるような介入工夫の開発が重要だと考える。本研究では、転ばずに行動できる自信の程度を示す転倒予防自己効力感と、身体能力面の評価及びその自己認識について調査し、その関連と過小・過大評価を含めた傾向を明らかにする。そして、自己認識や知覚の乖離に着目し、リハにおいてメタ認知トレーニングの視点からのフィードバック介入を検討・実施し、有用性を探る。
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研究実績の概要 |
転倒予防は高齢者リハビリテーションにおいてより喫緊の課題である。しかし高齢者の転倒の原因は、身体機能障害や能力低下等の内的要因、環境要因を含む外的要因など多岐に渡り、さらに本人の行動要因、転倒に対する恐怖心や自信度も、影響因子であることが明らかになっている。そのため転倒予防介入に関して近年では、教育指導・リスク評価などの併用や、転ばない自信度を示す転倒予防自己効力感の高低、身体能力の自己認識の誤差・乖離による転倒リスクに対する介入の効果が注目されてきている。したがって、高齢者自身が転倒に関わる要因を適切に認識して対応できることが転倒予防には重要であり、それらを支援する工夫・仕組みの開発が課題になると考える。先行研究でもこれらの転倒リスクについて言及されているが、相互の転倒への影響度や関連性、また介入効果までは、異なる見解も示唆され十分に明らかになっていない。 本研究では、まず転倒要因として、転倒予防自己効力感と、自身の身体能力の自己認識(過小・過大評価)との関連を明らかにすることを目的とし、2022~2023年度では機能障害を呈するデイケア利用の地域在住高齢者を対象とし、研究協力施設の病院の協力のもとで横断的調査を行った。その結果、転倒予防自己効力感の低さと身体能力の自己認識の乖離の大きさが、転倒歴と高い関連性があることが明らかになった。また身体能力に関する自己認識と実際の能力との乖離は、転倒の発生に対してより説明力の高い因子であることが示唆された。さらに本研究の参加者のように、すでに何らかの障害を持ち、支援を受けながら日常生活を送っている高齢者は、身体能力を過大評価する傾向が認められた。これらについて研究発表を行ったが、今後は高齢者の転倒予防におけるより効果的なリハビリテーションの確立を目指して発展させていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまで、デイケア・デイサービスセンターでの地域在住高齢者を対象とした対面による横断調査の実施が、新型コロナウイルスの影響もあいまって難航していたが、2022~2023年度は横断調査の実施、研究発表・英論文執筆にまで至った。現在は、介入研究として地域在住高齢者のデータ測定等を継続実施していくため、予備実験や打ち合わせを継続して実施している。
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今後の研究の推進方策 |
横断調査により、身体能力に関する自己認識と実際の能力との乖離が、転倒の発生に対してより説明力の高い因子であることが示唆された。さらに本研究の参加者のように、すでに何らかの障害を持ち、支援を受けながら日常生活を送っている高齢者は、身体能力を過大評価する傾向が認められた。今後、介入調査を検討するうえで重要な点として、近年の転倒予防介入の一つとして挙げられている教育指導やリスク評価などは、単独ではなく運動療法との併用により有用性が高くなることがいわれている。そのため、すでにデイケア内で取り組まれている運動療法と併用した介入プログラムが実施できるよう、動画撮影を通じた対象者自身の動作の客観視や転倒リスクの教育指導を交えたフィードバック介入を実施し、自己認識の乖離度の変化および転倒リスクの変化などの影響に関する調査を検討している。
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