研究課題/領域番号 |
20K19307
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
八木 優英 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90848227)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 股関節 / 不安定性 / 筋収縮 / 変形性股関節症 |
研究開始時の研究の概要 |
股関節不安定性が股関節疾患の新たな進行メカニズムとして注目されているが、股関節機能や股関節疾患の進行と股関節不安定性との関連は明らかではない。本研究では、筋収縮中に生じる股関節不安定性と股関節の機能・病態や疾患進行との関連を明らかにする。股関節疾患患者を対象とし、超音波診断装置で股関節不安定性を計測する。MRIで筋形態や関節・軟骨の形態を計測する。そして、股関節不安定性と股関節機能や股関節病態との関連を明らかにする。更に股関節形態の2年間の縦断変化を計測し、病態の進行と股関節不安定性との因果関係を明らかにし、将来の関節・軟骨変性に影響する股関節不安定性の基準値を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では,筋収縮中に生じる股関節不安定性に着目し,股関節疾患者での股関節不安定性の特徴の解明,股関節不安定性と股関節機能や疾患進行との関連の解明を目的としている.特に,筋収縮中の股関節不安定性に関わる筋機能の特定,変形性股関節症の発症への筋収縮中の股関節不安定性による影響を調査する.新型コロナウイルス感染症の流行のため,有痛者での測定開始が遅れたが令和5年度は股関節の過可動性の被験者においても骨頭の移動量を超音波診断装置を用いて計測し,さらに股関節のMRIの計測を実施した.筋機能として,股関節周囲筋の張力を超音波診断装置せん断波エラストグラフィで計測した.股関節不安定性を引き起こす可能性のあるiliocapsularisには股関節への関節包の挟みこみの防止があると考えられてきた.昨年度には,健常者の股関節のMRI画像から構築した股関節および関節周囲組織の三次元モデルから,そもそも股関節への関節包の挟みこみが生じないことを示した.今年度はこの特徴が有痛者でも観察され,興味深いことに有痛者では健常者よりも関節包が挟み込まれる可能性が低いことがわかった.そして,超音波データを分析し,iliocapsularisの収縮により,股関節の関節包の固さを増加させられることがわかった.股関節安定性に関わる関節包の機能を筋収縮が強化することを示唆しており,筋収縮中の股関節不安定性に関わる重要な知見といえる.これらの作用により,骨頭の動きが制御され,力発揮中の股関節不安定性の程度が軽度となる症例がいることがわかった.来年度,上述の知見について学会発表や論文執筆を行う.そして,股関節不安定性の測定・解析を継続する.iliocapsularisなどの筋収縮中の股関節不安定性の特徴や,股関節不安定性と股関節病態の進行との関連を明らかにする予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
股関節不安定性の測定方法や指標の変更を検討に時間を要した。さらにコロナウイルスの流行により開始時期が遅くなったため.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の流行や解析方法の再検討のため研究にやや遅れが生じている。患者データの測定を継続し,データ分析を行う.
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