研究課題
若手研究
近年,サルコペニアと骨粗鬆症が併存したオステオサルコペニアが健康寿命の短縮をもたらす新たな疾患概念として注目されている.心不全の病態はオステオサルコペニアの病態形成と密接に関連しており,オステオサルコペニアを治療し適切に予防・管理するための心臓リハビリテーションプログラムの開発が求められている.本研究は,高齢心不全のオステオサルコペニアの発症や進行に関与しうる臨床背景因子を探索し,オステオサルコペニアと予後との関連性に影響する因子を特定することで,オステオサルコペニアを有する高齢心不全患者に対する新たな疾患管理プログラム開発のための基礎データの収集を目的とする.
本研究は,高齢心不全患者を対象に,(1) オステオサルコペニアの発症や進行の関連因子を横断研究による網羅的解析によって探索すること,(2) オステオサルコペニアと予後との関係に影響する因子を,前向きコホート研究によって特定することを目的として行われている.2021年度には、本研究の遂行に必要な患者情報を登録するデータベースの運用を継続した.また,心不全患者においてオステオサルコペニアの合併が退院時の ADL 能力に与える影響を検討するため過去起点コホート研究を実施し,その結果を学会で報告した.加えて,オステオサルコペニアに関連する因子としてビタミンDに着目し,まずはサルコペニアとビタミンDとの関連を検討することとした.結果として,心不全患者において血中ビタミンD濃度の低下はサルコペニアの独立した予測因子であることが明らかとなった.本研究の成果は国際誌に投稿中である.
2: おおむね順調に進展している
ベータベースへの患者情報の登録は進んでいるが,COVID-19 により入院が制限されたことに伴い,登録患者数が予定していたよりも少なくなってしまったため.
運用を開始したデータベースへの患者情報の登録を継続していく.また,本年度はオステオサルコペニアと生活機能・予後との関連をより詳細に再解析し,その成果を国内・国外にて発表し,国際誌へ投稿する.
すべて 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
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