研究課題/領域番号 |
20K19318
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 日本医療大学 (2022) 北海道文教大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
小林 英司 日本医療大学, 保健医療学部, 講師 (20781272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 高齢者 / 認知機能 / アルツハイマー病 / 身体活動量 / 認知症予防 / マイクロRNA / エクソソーム / 心理機能 / 生活習慣 / 発症予防 / 死後脳 / アストロサイト / アルツハイマー型認知症 / 唾液miRNA / 認知症発症抑制 / 超高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー型認知症は、脳への異常タンパク質の蓄積が原因とされるが、有効な治療法は確立していない。我々は、死後脳の解剖で異常タンパク質が過剰に蓄積しているにも関わらず生前に認知症ではなかった例の脳を検索し、神経細胞を保護する細胞であるアストロサイトの機能が維持されていることをすでに発見している。本研究は、このメカニズムをさらに解明するため、90歳以上の献体予定者に対し、年に1回認知・心理機能・唾液中エクソソームのmiRNAを測定して変化を縦断的に追跡する。この方法により、認知機能の維持に関連するmiRNAと、生活習慣・心理状態を明らかにし、新たな認知症予防の医療に貢献したい。
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研究実績の概要 |
認知症発症予防の機序を解明するために、札幌医科大学白菊会の献体者データベースに登録されている90歳以上の高齢者でかつ認知機能が保たれている者を対象として、認知機能と疾病の数、内服薬の数、身体活動量・生活行動範囲・生活習慣・心理機能(うつ、孤独感、well-being)、および唾液中エクソソーム内のマイクロRNAとの関連をそれぞれ検討している。なお、研究期間中に研究対象者が死亡した場合には、死後脳のアルツハイマー病理所見を追加評価している。現在までに40例の評価を終えた。結果、40名のうち認知機能が正常(MoCA-J=24点以上)に保たれている者は17名、軽度の認知障害を呈する(MoCA-J=23点以下)者は23名で、認知障害を呈する者はいなかった。認知機能が正常に保たれている者では、軽度認知障害の者と比較して身体活動量(IPAQ)が高かった。また、認知機能(MoCA-Jの得点)は生活行動範囲の広さ(LSA)と関連があった。一方、疾病の数、内服薬の数、心理機能、生活習慣等の指標に認知機能との関連は認められなかった。また、本研究進行中に死亡したために死後脳の病理所見が評価できた者は3名であった。死後脳の大脳皮質、海馬、大脳基底核及び脳幹・小脳の病理標本スライスを作成し、それらのAβ、tauの蓄積を評価したところ、3名ともこれらの異常タンパクが脳内に相当程度蓄積したアルツハイマー病理所見が陽性であったことが確認された。なお、この3名の生前の認知機能は正常であった。本研究の結果から、脳のアルツハイマー病理所見が陽性となる90歳以上の高齢者であっても認知機能を正常に保つためには、高齢期において一定程度の身体活動量および生活行動範囲の広さを有していることが重要であることが示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度4月以前に新型コロナウイルスの拡大により高齢者宅への訪問が制限された時期があったため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに40例の評価を終えているが、最終的な目標症例数を70名として対象者を増やしていく。さらに、この70名について縦断的にデータを蓄積し、70名のデータが揃ったところで唾液中エクソソーム内のマイクロRNAの解析を行い、超高齢であっても認知機能を正常に保つメカニズムをさらに詳細に解明していく。本追跡の途中で対象者が死亡した場合には脳のアルツハイマー病理所見の評価を行い、また脳内のアストロサイトに特異的に発現している炎症マーカ等の関連を同時に検討していく。
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