研究課題/領域番号 |
20K19328
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
吉弘 奈央 関西医療大学, 保健医療学部, 講師 (70828714)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 半側空間無視 / 機能的電気刺激 / 近赤外線分光法 / 上肢活性化 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
脳血管疾患後の高次脳機能障害として多く見られる半側空間無視は、一側にある物に対して気づけないことから、在宅生活を困難にする深刻な問題である。半側空間無視に対する一定の効果が報告されている介入の1つに麻痺側上肢の運動を行う上肢活性化という方法がある。しかしその効果のメカニズムは明確でなく、臨床場面での使用は少ない。そこで本研究では、上肢活性化が半側空間無視症状を改善する根拠について近赤外線分光法を用いた脳機能イメージングの解析という観点から明らかにする。これにより得られる知見から構築される介入戦略は、臨床で活用できる根拠に基づく有用な介入となり得る。
|
研究実績の概要 |
脳血管疾患後の高次脳機能障害として多く見られる半側空間無視(USN)は,一側にある物に対して気づけないことから,在宅生活を困難にする深刻な問題である.USNに対す効果が報告されている介入の1つに麻痺側上肢の運動を行う上肢活性化という方法があるが,そのメカニズムは明確でなく,臨床場面での使用は少ない.本研究では,上肢活性化がUSN症状を改善する根拠について近赤外線分光法を用いた脳機能イメージングの解析という観点からの明確化を図る. 2023年度は,2022年度にまで実施した研究結果について,継続して考察,および作成した論文の修正,雑誌投稿,学会発表を行った。 FESのより効果的な介入方法を検討するために,FESを右上肢に実施する群と左上肢に実施する群とにわけた.FES実施時には注意探索課題としてPosner課題を同時に実施し,右手刺激群と左手刺激群の刺激後の安静時脳活動を測定した. 2022年度の結果では,FESと同時ではなく,FES実施後にPosner課題を実施した場合,右縁上回および左右の運動前野・補足運動野,一次体性感覚野,一次運動野が賦活されることが示唆されたが,今回の結果では,左手刺激群の刺激とPosner課題を同時に実施した後の安静時に左半球の運動前野・補足運動野のみで脳活動が賦活されることが示唆された.一方,右手刺激実施後では有意な変化はみられなかった. Posner課題は,ターゲットが提示された後に反応する刺激誘発性注意を必要とする課題である.また,刺激誘発性注意は縁上回を含む腹側注意ネットワークはに関与するとされている.以上の結果から,FES実施後にPosner課題を行う場合,Posner課題の実施が縁上回を賦活させ,課題前のFESの実施によってその効果がより増強する可能性が示唆された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスや感染症予防の影響により,研究対象者のリクルートが制限され, 健常者以外のデータ計測が困難な状況である.
|
今後の研究の推進方策 |
今後も健常者以外へのリクルートを進めていくが,現在のデータにより得られた結果からも,FESを用いたUSNへの介入方法の立案を引き続き検討していく.
|