研究課題/領域番号 |
20K19331
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 神戸国際大学 |
研究代表者 |
中西 亮介 神戸国際大学, リハビリテーション学部, 講師 (60807238)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | インスリン抵抗性 / 肥満 / 骨格筋 / ミトコンドリア / 筋内脂肪 / 交流磁気刺激 / 脂質代謝 / 糖尿病 / ミトコンドリア機能障害 / 代謝活性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,糖尿病由来のミトコンドリア機能障害に対する60Hz交流磁気刺激の予防効果を明らかにすることである.交流磁気刺激療法は低周波領域の磁場を生体に照射する方法であり,皮膚との接着を必要としないという利点を有するため.これまで運動や電気刺激療法などの治療介入が困難であった末梢神経障害や循環障害を有する重篤患者においても治療介入ができることが予想される.一方で,交流磁気刺激が糖尿病由来のミトコンドリア機能障害に対する予防効果を検証した研究はみられない.そこで,本課題は分子生物学的手法及び分子生化学的手法を用いた基礎的研究を行い,効果の有無ならびに機序の解明を行う研究である.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、高脂肪食由来の2型糖尿病モデルマウスに対して60Hz交流磁場照射が筋内脂肪蓄積を低減させインスリン抵抗性を改善することで血糖値の上昇を抑制するかを明らかにすることである.16週間の高脂肪食摂取により遊離脂肪酸値の上昇と筋内脂肪の蓄積が認められた.その結果,インスリン抵抗性ならびに血糖値が上昇した.一方で交流磁場照射を行うことで骨格筋内のミトコンドリア代謝の活性化とともに,それらに関連するタンパク質発現量が増加した.以上の結果から60Hz交流磁場照射は高脂肪食由来の筋内脂肪蓄積を予防することでインスリン抵抗性を改善し,血糖値の増加を抑制する可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨格筋内の脂肪蓄積はインスリン抵抗性を増加させ,血糖値を上昇させる.その結果,更なる疾患を誘発する.一方で継続的な運動は筋内脂肪蓄積の改善に効果的であるが,肥満や糖尿病患者は身体的,精神的要因により運動継続が困難であることが報告されている.本研究では交流磁場の照射が運動を伴わずミトコンドリア代謝を上昇させ、筋内脂肪蓄積を予防することが明らかになった.その結果,インスリン抵抗性を改善し,血糖の上昇を抑制させる.これらの結果から交流磁場を照射することで運動と同様に筋内脂肪蓄積の予防を介してインスリン抵抗性の改善ならびに血糖値の上昇を抑制することができる有益な治療戦略となることが期待できる.
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