研究課題/領域番号 |
20K19343
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東北大学 (2023) 神戸大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
松本 葉子 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (70820257)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 施設入所者の側弯症と股関節脱臼 / 施設入所者におけるCPCHILD / QOL向上を目指した実践的取り組みの論文発表 / 日本語版CPCHILD運用 / QOL向上を目指した実践的取り組み / 国内の股関節脱臼、側弯症の現状 / 障がい児者における客観的QOLの評価法 / 日本語版CPCHILD論文投稿準備中 / 情報入力データシート作成 / 東京都立府中療育センター倫理委員会研究承認 / 脳性麻痺 / QOL / CPCHILD / 側弯症 / 股関節脱臼 |
研究開始時の研究の概要 |
脳性麻痺は脳障害自体は非進行性であるが、問題となるのは脳障害が原因で側弯、股関節脱臼といった二次障害が進行し続けることで、さらにその二次障害が原因となって呼吸不全や消化管機能不全、疼痛といった三次障害が生じることである。本研究は、脳性麻痺患者が幼少時から成人期まで受けてきた医療および福祉サービスと二次・三次障害の発生状況とを時間軸に沿って後方視的に調査する。脳性麻痺医療を積極的に展開している米国で同様の調査を行い、長期的な医療・福祉介入の差異が現時点の障害の程度、医療・福祉サービス、患者・家族のQOLに与える影響について比較検討し、脳性麻痺に対するより効果的な医療・福祉介入の選択を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、脳性麻痺等患者が幼少時から成人期まで受けてきた医療および福祉サービスと二次・三次障害の発生状況とを時間軸に沿って後方視的に調査し、現時点での障害の程度、医療・福祉サービスの利用状況および患者・家族のQOLを評価することである。下記の2項目に分けて研究に取り組んでいる。1、CPCHILDの日本への導入:患者や家族のQOLの評価法であるCPCHILDについて、本邦で使用可能となり複数の施設にて使用が開始されている。現在、CPCHILDのベースラインを日本と米国で比較検討しており、論文投稿準備中である。東京都立府中療育センターの長期入所者20名においてCPCHILDの実現可能性調査を実施したところ、外来患者と比較して、重症度は高いにもかかわらずスコアは高く、施設入所者のケアの特性からCPCHILDはQOLを適切に反映していないということが示唆され、新たな指標が必要であると考えられた。自身が臨床に従事する者として、QOLの評価法であるCPCHILDの導入だけでなく、障がい 児のQOLを上げるために実践を通した取り組みを行っており、QOL向上をみた症例について2024年8月に論文を発表した。 2、股関節脱臼および側弯症に対する日米間の比較:現時点における国内の股関節脱臼および側弯症の現状について、東京都立府中療育センターの長期入所者226名についてレントゲンによる情報収集をした。その結果の一部を2023年12月に仙台で開催された第3回CPフォーラムにて発表した。ハーバード大学と共に、情報を入力するデータシートを安全かつ共有可能な保存場所にて作成を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症により診療体制が変わり、本研究に従事する時間が予定よりも激減したため、計画に遅れがでていた。一般病院とは異なり、共同研究施設も重症心身障害医療のため、いまだ感染対策が緩和されておらず、遅れを取り戻すに至っていない。日本の対象者について、施設入所者がほとんどであるため、CPCHILDでのQOL評価には限界があると考察しており、新たな評価方法であるResource Utalization Scaleの重症心身障がい児者バージョンの開発の必要性がでてきているため、計画に遅れがでている。
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今後の研究の推進方策 |
1、CPCHILDの論文投稿に向けて、米国とのベースラインの比較結果を加えて論文作成を行う。東京都立府中療育センターの長期入所者でのCPCHILDの結果を解析する。新たなQOLの評価法として必要な指標の開発に着手する。2、股関節脱臼および側弯症の日本の現状についてまとめ、論文投稿を行う。側弯症の経時変化をレントゲンから調査する。ハーバード大学とともにデータシートの運用を始める。コロナウイルス感染症が5類感染症に移行しても、勤務施設や協力医療機関においては、厚生労働省から、従事者の就業制限を考慮する要請をされるなど、研究に従事する時間を確保することは引き続き困難な状況である。医療従事者として、新型コロナウイルス感染診療に全力で取り組みながら時間を捻出する。
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