研究課題
若手研究
本研究は、頸椎部圧迫性脊髄症(頸髄症)患者を対象に以下の研究を行う。1. 手指運動機能を評価できるウェアラブルセンサを開発する2. 頸髄症患者の手指運動の特徴を抽出し、定量化する3. 日常生活動作との関連性を調査し、障害の早期発見や最適な治療を選択ができるプログラムを開発する4. 個人の症状に合わせた運動法や補助具の使用を検討し、科学的根拠のあるリハビリテーション法を構築する
手指の運動を定量的に評価可能な小型ウェアラブルセンサーを用い,術前頸椎部圧迫性脊髄症(頚髄症)患者および健常成人,計120名(患者群60名,健常者群60名)の手指巧緻運動機能を調査した.術前頚髄症患者はage-matchさせた中高齢健常者より手指の屈曲・伸展動作速度が遅く,さらに,屈曲と伸展の運動の切り替えしが遅延することが明らかとなった.これらの結果は,手を使用する日常生活動作が困難な重症例ほど,手指の運動速度が遅いことが明らかとなった.これらの結果は,従来から頚髄症患者の特徴として質的に報告されてきたが,本研究では,それらの頚髄症患者の手指運動の特徴を定量的に明らかにした研究となった.頚髄症患者の運動機能を評価する事前研究として,健常成人を対象とした上肢機能を筋電図計を用いて定量化した.結果,同様の主作用を有する筋間で筋活動パターンが異なることを明らかにした.これらの研究成果を前提として,頚髄症患者の術前,術後における手指および上肢運動機能をセンサー等を用いて計測し,経時的な運動機能の変化との関連を明らかにする調査を開始した.
3: やや遅れている
術前頚髄症患者の手指運動についての研究成果をまとめ,査読付英文誌へのpublishまで行うことができたが,縦断調査は新型コロナウイルスの感染状況により一時中断していた.そのため,やや遅れている,と判断した.2023年度は計測を再開する予定である.
今後は,術前にデータを取得した患者に対し,術後の運動機能の変化をウェアラブルを用いて計測し,術前-術後の運動学的な変化を調査していく方針である.
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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