研究課題/領域番号 |
20K19346
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 山形県立保健医療大学 |
研究代表者 |
鈴木 栄三郎 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (20823298)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 運動観察 / ミラーニューロンシステム / tDCS / Mirror neuron system / 経頭蓋直流電気刺激 / Motor resonance / 非侵襲的脳刺激 / 上肢運動機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は運動観察とその神経基盤とされるミラーニューロンシステム(MNS)を標的とする経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の併用による脳卒中後の上肢機能回復の促進効果とその効果機序を明らかにすることである。健常者および脳卒中者を対象に、運動観察とMNSへのtDCSの併用による介入の短期および長期的効果を上肢運動の行動学的評価および神経生理学的評価から検証する。さらに、経頭蓋磁気刺激を用いてMNSの活動性を間接的に反映するとされるMotor resonance (他者運動の観察による観察者の運動誘発電位の振幅増加)を介入前後で計測し、その効果機序への関与を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は,他者の運動を観察する運動観察とその神経基盤の一つとされるミラーニューロンシステム(Mirror neuron system:MNS)への経頭蓋直流電気刺激 (Transcrania direct current stimulation:tDCS)の併用による脳卒中後の上肢機能回復の促進効果とその効果機序を明らかにすることを目的としている. 今年度は上肢運動機能を評価する運動課題として採用した手でのボール回転動作パフォーマンスの定量的評価手法を新たに確立した.一般的に,身体部位の動作分析には,光学式モーションキャプチャシステムが用いられ,高精度な計測手法が確立している.しかしながら,手の指といった小さな部位の動作の計測ではセンサマーカーがカメラの死角に入りやすいことから精緻な指の動きを連続的に高精度に計測することが難しい.また,光学式システムでは指に貼付したマーカー自体が指の動きや課題を阻害してしまう.一方,近年開発され普及しつつある慣性センサー(加速度センサー,ジャイロセンサー,地磁気センサー)は,小型であり,手袋内の各関節部位に直接埋め込まれ,指の動作や物品の操作も阻害せず,高精度に連続的な計測が可能である.この手袋型の慣性センサーシステムによりボール回転動作中の各指の動きの3軸方向の加速度データを取得して躍度(ジャークコスト)を算出し,動きの滑らかさの定量的指標となり得ることを確認した.この評価システムの導入により,ボールの回転数のみならず,指の動きの滑らかさに関するパフォーマンス変化を明らかにすることができると考えている. 今後は,MNSへのtDCSによる神経修飾と運動観察を併用した介入を行い,その効果をMNSの活動性および手指運動能力の変化から検証する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Covid-19の影響による研究計画の全般的な見直しが必要となり計画が遅れていることに加えて,tDCS刺激条件や運動観察介入条件,データ計測における条件設定の検証に時間を要した. その他,学内の教育業務や社会活動の増加により一時的なエフォートの低下を来した.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの活動により,介入やデータ計測における各種条件設定の見直しやシステムの構築は概ね完了し,研究環境は整った.今後は感染対策に留意しつつ,健常成人を対象に,計画的にデータ計測を進める.
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