研究課題/領域番号 |
20K19351
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 里砂 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 准教授 (50781035)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 動作分 / 習熟度 / 視線追跡 / フィードバック / 医療専門職教育 / 動作分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,経験の浅い療法士・療法士養成校学生の動作分析リテラシーを支援するために,療法士の動作分析時の学習過程の理解,認知度についての視線測定装置を用いた視線追跡の定量化と,療法士の技能習熟を視覚化することである.さらに,動作分析の習熟度の一つを視線追跡の結果と捉え,技能習熟を表す新しい客観的指標とするだけでなく,習熟度を認知し自己フィードバック学習できる教育ツールの開発を行う.本研究で得られる知見によって,医療従事者の動作分析能力向上のための効果的な関わりが明らかになり,将来の療法士新人教育や療法士学生の新たな学習ツール開発に対する貢献が期待できる.
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研究実績の概要 |
2023年度前半は,理学療法学生に対する動作分析時の視線追跡トレーニングの参加者募集を引き続き行い,トレーニング実験を継続した.2023年度後半は,トレーニング後のアンケート結果についてテキストマイニングを行い,学生がトレーニング後にどのような気づきを得たかについて分析した.分析は,KHコーダー(樋口耕一 2020 『社会調査のための計量テキスト分析 ―内容分析の継承と発展を目指して― 第2版』 ナカニシヤ出版)を利用し,学年別に頻出単語で特徴的な単語を抽出した,また,共起ネットワークにて語の共起性を描出することで,各学年の特徴的な語を明らかにした.総合臨床実習前の3年学生では 麻痺側,視野,目線を向ける,などという,どこをみるのかという観点や,モデルとなった理学療法士の視線追跡の速さに対するすごい,という驚きが示されていた.総合臨床実習後の4年学生では,興味深い,理学療法,分析,速い といった,分析を行う,理学療法への興味,といった語が示されていることが明らかとなった.さらに,自分自身の視線をフィードバックすることで前向きな回答が散見された.また,全体的に,プロフェッショナルの技(分析時の視点移動の速さ)を体験し驚き,職業意識や動機付けが強まる可能性が示唆された.2023年度後半には,これらの結果について国際学会にて演題発表を行った. さらに,研究のまとめを行う予定であったが,新型コロナウィルス感染拡大の影響で,学生の臨床実習の予定が大幅に変更となり,リクリートが上手く進まなかったことにより,さらなる分析を行う時間,論文作成の時間を取ることが困難となったため,研究の延長申請を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い,学生の臨床実習の予定が変更となることが多く,臨床実習前後の実験遂行に支障がでていること,リクルーティングや,データ収集のため の移動が困難であったこと,感染対策を加味し実験計画を見直す必要があり,再度倫理申請を行なったことなどから研究実施全体に遅れが生じてしまった.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,理学療法学生に対する動作分析トレーニング時の視線追跡のトレーニング前後の計測結果の分析とまとめを行い,学会やシンポジウムにおいて報告すると共に,論文として得られた知見を報告する予定である.
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