研究課題/領域番号 |
20K19362
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
横田 紘季 名城大学, 理工学部, 助教 (50815876)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 筋骨格モデル / 解剖体 / 有限要素シミュレーション / 腱鞘炎 / 力学特性 / センシング / バイオメカニクス / 解剖学 / 有限要素法 |
研究開始時の研究の概要 |
手首の腱鞘炎は、手を酷使する現代人が患いやすい病気であり、機械的刺激による腱と腱鞘との摩擦が原因で起こる。腱鞘炎の予防と改善のためには、生体組織間の力学的インタラクションに起因する発症メカニズムの解明が重要である。しかし、手関節構造が複雑であること、身体が形態的多様性を持つこと、生体内部の測定が困難であることがゆえに、疾患の発症メカニズムは未だ明らかになっておらず、危険動作およびその予防策も不明瞭なままである。本研究では、機械力学や、解剖体の剖出技術を用いた医工学領域からのアプローチによって、腱鞘炎の力学的発生機序および危険因子となる動作を明らかにできる生体内力学シミュレータの開発をめざす。
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研究成果の概要 |
本研究では,ヒト解剖体を用いた軟部組織の力学計測や,筋骨格系モデルによる有限要素シミュレーションを用いた医工学領域からのアプローチによって,腱鞘炎の発症メカニズムを解明するための生体内力学シミュレーションシステムの開発を行った.ヒト解剖体前腕部における筋および腱の引張試験を行い,材料特性を明らかにすることで,有限要素シミュレーションの材料パラメータを決定した.構築した前腕部筋骨格モデルを用いたシミュレーション解析では,手関節運動や筋収縮と共に長母指外転筋腱の負荷が増大し,ドケルバン病の炎症部位と一致することが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,ヒト解剖体を用いた力学試験や有限要素シミュレーションによって,前腕部腱鞘炎に関する力学的負荷を解析可能な筋骨格シミュレーションシステムを構築した.シミュレーション解析より,筋収縮運動によって腱部負荷が増大した箇所と,実際の症例における炎症部位が一致することが示され,これにより,様々な症例における力学的発生メカニズムの解明や,疾患の危険因子となる動作を予測可能であることが示唆された,さらに,将来的に症状改善のためのリハビリ指針の提案や,治療に有効な専用装具の開発などの医工連携分野への展開の可能性を示すことができた.
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