研究課題/領域番号 |
20K19368
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
吉沢 雅史 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部), 電気生理学研究室, 共同研究員 (40836277)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 高血圧 / 低酸素 / 交感神経活動 / グリア細胞 / マイクログリア / ミノサイクリン / 低酸素換気応答 / 中枢性血圧調節 / 交感神経応答 / 運動負荷 / 血圧上昇 / 中枢性血圧調整 |
研究開始時の研究の概要 |
リハビリテーションにおいて運動療法は重要です。しかし、リハビリテーションが必要な高齢者や脳血管障害の患者では不安定な血圧のため円滑なリハビリテーションを遂行できない場合があります。運動中に血圧が上昇する機構の中で中枢神経が関与するメカニズムについては未解明な点が多いです。近年、脳内の様々な神経調節メカニズムには神経細胞(ニューロン)のみならず、神経膠細胞(グリア細胞)という神経細胞をサポートする細胞の重要性がわかってきました。本研究では、特に運動時の血圧調節にグリア細胞がどのようにかかわるかを検討し、円滑なリハビリの遂行に寄与することはもとより、高血圧症の病態解明にも貢献していきます。
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研究成果の概要 |
運動中に血圧が上昇する神経メカニズムの詳細は不明である。近年中枢性の血圧調節機構にストレス負荷による交感神経活動の亢進やそれによる血圧上昇に神経細胞以外にグリア細胞が関与しているとことが知られてきた。 本研究では運動中の血圧上昇機構を解明するため、マイクログリアの活性を抑制するMinocyclineを用いて、運動中の体内環境を模すために低酸素負荷を行った時に血圧及び呼吸のパラメータがどのように影響を受けるかを解析した。Minocyclineの投与は低酸素負荷前の血圧を低下させたが、低酸素負荷による血圧上昇の応答には影響を及ぼさなかった。しかし低酸素による換気増強応答が減弱することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の結果からは、マイクログリアは中枢性血圧調節機構と中枢性呼吸調節機構とに対して異なる方向性で修飾を行っているものと考えられた。運動に伴う血圧上昇にマイクログリアが積極的に関わっているという示唆は得られなかったものの、中枢神経系の調節機構に確かにグリア細胞が関与しており、それぞれのパラメーターに対して促進的、抑制的のいずれにも複雑に関与していることが判明した。このことは、中枢性の血圧・呼吸の応答機序の解明のための道筋の一つとなったと考えられる。
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