研究課題/領域番号 |
20K19376
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷口 匡史 京都大学, 医学研究科, 助教 (00827701)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 早期変形性膝関節症 / 骨格筋変性 / 筋質低下 / 筋内脂肪 / 内側広筋 / 早期膝OA / 筋内脂肪浸潤 / T2緩和時間 / 変形性膝関節症 / 骨格筋質 / 軟骨変性 / 身体活動量 |
研究開始時の研究の概要 |
筋内脂肪増加を反映する骨格筋質の低下は、変形性膝関節症(OA)患者の筋変性の早期検出に有用である。一方、膝OA発症前段階の軟骨変性と筋質低下との関連性、及びそれに及ぼす身体活動量の影響は明かではない。よって、本研究では、早期OAの軟骨変性に及ぼす筋質や身体活動量による影響について検討する。膝OA診断のない高齢者を対象とし、MRI法を用いて筋質や軟骨変性の状態を定量化し、早期膝OAを判別する筋質評価の基準値を作成することを目指す。また、2年間の縦断変化を計測し、軟骨変性の進行と筋質低下との因果関係、及び身体活動量の影響を検討し、将来の軟骨変性に影響するリスク要因を特定する。
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研究成果の概要 |
変形性膝関節症(膝OA)は、高齢期の代表的な運動器疾患であり、生活機能を著しく制限する。膝OAによる関節変形は不可逆的であり、早期発見・予防介入が重要である。近年、膝OAの機能障害には筋萎縮ではなく、骨格筋の質的低下、すなわち筋内脂肪増加が関連することが示唆されていた。そこで、本研究では、筋内脂肪に着目し、早期膝OAの検出や機能障害との関連を調査した。その結果、早期膝OAでは、内側広筋の筋内脂肪率増加が顕著であり、その増加は機能障害と関連することを明らかにした。また、内側広筋の筋内脂肪率の増加は軟骨の質的低下にも関与するため、早期膝OA検出のイメージングバイオマーカーとなることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性膝関節症(膝OA)は、加齢変性疾患の一つといえ、高齢化とともに有病者数が増加している。膝OAに対する根治療法は確立されていないため、膝OAの早期発見、早期介入の重要性が指摘されている。本研究の成果は、膝OAの早期段階を筋質低下、特に筋内脂肪の増加によって検出できるだけでなく、その変化は機能障害・軟骨の質的低下と関連することを明らかにした。サルコペニアを代表とする骨格筋の変性は、従来、筋量に着目されてきたが、筋質を評価することが疾患の早期段階を捉えることが他でも指摘されつつあり、同様の知見を新たに早期膝OAで見出した点は学術的意義が高いものといえる。
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