研究課題/領域番号 |
20K19392
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
有薗 信一 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (70713808)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 骨格筋 / 筋異化 / 筋組織酸素飽和度 / 急性呼吸不全 / 筋力低下 / 筋異化亢進 / 全身炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,急性呼吸不全患者の筋異化亢進と筋力低下を,筋組織酸素飽和度(NIRS)により評価し,筋力低下の早期発見が可能な方法を開発する.この研究は,急性呼吸不全患者の筋異化亢進と全身炎症による筋の酸素消費との関連を明らかにすることで,NIRSが急性呼吸不全患者の筋力評価になりうるかどうかを検証する世界初の研究である.また,NIRSの評価にて急性呼吸不全患者の筋異化亢進と筋力低下を早期に発見する事が出来れば,重症化する前に適切に介入する事ができ,ADLの低下や死亡率の上昇を抑える事が出来ると考えられる.
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研究実績の概要 |
我々は、骨格筋の組織酸素飽和度(tissue oxygen saturation;StO2)が重症患者(CIP)の炎症や筋力低下に関連しているのではないかという仮説を立てた。研究の目的は、CIP の筋力低下と炎症に関連する StO2の3つの測定値(StO2の最下値、最大値、平均値)を比較した。 本研究は観察コホート研究とした。対象は大学病院の救命救急医療センターに入院したCIP患者であった。近赤外分光法を用いて大腿四頭筋のStO2を入院後隔日で評価した。分析のために最底値、最大値、平均値を解析した。炎症の評価はLog IL-6を測定し、筋力の評価はmedical research council (MRC)スコアを測定した(48未満をICU-AW と診断)。 この研究に32例が参加し(平均 65.9 歳)、12例(38%) は外因性疾患で、その他は内部原因疾患で入院した。StO2の最下値は41.9±8.6%、StO2の最大値は51.7±6.5%、StO2の平均値は46.1±6.6%であった。MRC スコアは 54.7 ±5.5 点で,5例 (16%) が ICU-AW と診断された。Log IL-6 は 5.5±2.5pg/mL でした。 StO2の最下値は、log IL-6 および MRC スコアと有意な相関関係を認めた(r=-0.38、r=0.59、p<0.05)。 StO2の最大値と平均値は、log IL-6 スコアと MRC スコアに関連しなかった。 StO2 の最低値が CIP の筋力低下と炎症に関係していることを示唆しており、StO2 の低下値は、CIP における ICU-AW を予測するために重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに対象患者の測定と解析までは進んだ.学会発表や論文発表など研究成果の公表のスケジュールが少し遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,得られた結果の公表のための学会参加などを実施していく予定であり,論文執筆を進めていく.
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