研究課題/領域番号 |
20K19395
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 豊橋創造大学 |
研究代表者 |
中村 佳代 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (70800572)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 脳梗塞 / シナプス再編 / KCC2 / 運動機能回復 / リハビリテーション / 脳卒中 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、げっ歯類を用いた脳卒中病態モデルでは、脳損傷周辺領域においてシナプスの再編が著しく亢進することが示されている。しかし、シナプス再編が亢進する制御機構はまだ十分に解明されていない。さらにはシナプス再編が脳梗塞後の運動機能の回復に関与する証拠もまだない。そこで本研究では抑制性および興奮性シナプスの発達/成熟に関わる機能を有すKCC2に着目する。脳梗塞後のKCC2発現低下(既知)が、シナプスの再編と運動麻痺ならびに運動機能の回復に与える影響について、シナプスの形態学的解析とマウスの行動学的解析を用いて検証する。本研究の成果を足掛かりに脳卒中後のリハビリテーションがシナプス再編に与える効果を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、脳梗塞とその後のシナプス再編におけるKCC2の役割を解明することを目指している。具体的には、げっ歯類の脳卒中病態モデルを用いて、脳梗塞後のKCC2発現低下(既知)が、シナプスの再編と運動麻痺ならびに運動機能の回復に与える影響について、シナプスの形態学的変化とマウスの行動学的変化を組み合わせて検証している。 これまでに①再現性のある病態モデルマウスの作製②行動タスク(Beamテスト、Reachテスト等)における運動機能変化の評価法の選定③KCC2発現変化の確認④脳梗塞対側半球と脳梗塞作製半球のスパイン密度変化の領域の特定⑤強制回転かご(3.0m/min)における運動負荷量の検討を行った。 2023年度の研究において脳梗塞作製3日後からの強制回転かご走行はマウスの運動機能の回復を規定している可能性があることが分かった。その背景として、脳梗塞作製14日後に採取した脳切片において、運動皮質おけるNeuN (anti NeuN antibody)陽性細胞が強制走行した群において低い値を示すことが分かった。現在、KCC2の細胞膜上の発現を確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに①再現性のある病態モデルマウスの作製②行動タスク(Beamテスト、Reachテスト等)における運動機能変化の評価法の選定③KCC2発現変化の確認 ④脳梗塞対側半球と脳梗塞作製半球のスパイン密度変化の領域の特定⑤強制回転かご(3.0m/min)における運動負荷量の検討を行った。 2023年度はプロトコールを実施した後の結果を定量的に分析している。現在は見出した分析結果に基づき免疫染色法とゴルジコックス染色法を用いて多角的に検証している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はまず脳梗塞病態モデル作製後の運動負荷を継続して実施し、定量的な検討を加えていく。マウスのペレットへのReachタスクに着目して、運動機能変化の顕著な時期の脳神経細胞の活動性の変化および、それを規定している要素を明確にしていく。KCC2の細胞膜上の発現量変化の検討を試みると共に、シナプスの数または形態から結果を結論づけられるかを再検討する。
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