研究課題/領域番号 |
20K19396
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 (2021-2022) 関西福祉科学大学 (2020) |
研究代表者 |
砂川 耕作 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (60824844)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 軽度認知障害 / 電子機器操作 / 視空間機能 / 視空間ワーキングメモリ / 注視分析 / MCI / 視空間認知特性 / 高齢者 / エラータイプ / 介入モデル |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会では携帯電話やパソコン、銀行ATM、発券機などの電子機器は必要不可欠である。高齢者や認知症者、高次脳機能障害者はこれらの電子機器が使いこなせず、日常生活に支障をきたすことがある。我々の先行研究において、電子機器の操作能力の低下と視空間ワーキングメモリ(以下、VSWM)の低下が関連していることを明らかにした。一方、軽度認知障害(以下、MCI)を呈した場合でも、VSWMが障害されるタイプが存在する。MCI者の視空間認知特性と電子機器操作の特異性を関連付けて分析し、電子機器の改良や操作への介入モデルを開発することは、増加が予測される高齢者やMCI者の生活環境の改善に寄与するものと期待される。
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研究実績の概要 |
研究協力機関の施設にて53名のデータ取りを実施し、現在データ分析を行っている。 実施課題としては、対象者の負担軽減のため課題の選定を行い、神経心理検査はMMSE、MoCA-J、Digit Span課題、Tapping span課題、Trail Making Test-A&B(TMT-A&B)、かな拾いテスト、Shape from moving-dots task、状況画の説明(標準高次視知覚検査のから抜粋)を実施した。神経心理学的検査に加えて、電子機器の課題として、タブレットを用いた数字入力課題を実施するとともに、電子機器に関するアンケート調査を実施した。 電子機器操作で必要となる視空間機能を詳細に分析するため、TMTや状況画の説明の課題中にアイカメラを用いて注視分析を行った。その結果、視空間機能(特に視空間ワーキングメモリ)が低下している対象者はこれらの探索課題において、非効率的な注視戦略を用いていることが明らかとなった。現在は、この結果を電子機器操作に結び付けて検討を行っている。 電子機器操作においては、MoCA-Jにてカットオフ値を下回った認知機能低下群の中で、視空間機能が低下した対象者は電子機器操作にて非効率的な注視戦略を行っている可能性があり、ディスプレイの情報量の統制や視覚情報の関連付けを行い、視覚探索を行いやすい状況を構築する必要があると思われる。 タッチパネルの操作に関しては、スマートフォンの不使用者は押しているのに機器が反応しないといったエラー数が使用者に比べて増加している傾向があった。タッチパネル上の電子機器操作は、仮説としていた視空間機能の要因だけでなく、上肢の操作性の要因も関連しているものを思われ、これらの検討も今後進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の感染拡大の影響により、研究協力機関でのデータ取りが行われなかった期間があり、当初予定していたスケジュールでの実施が困難となっていた。 徐々に制限が解除になり、現在はデータ取りの実施が可能となっている。現在までのデータを分析をするとともに、今後もデータ取りを行う予定である。また、分析結果をまとめ、学会発表や論文投稿に繋げていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
延長期間の中で、今後もデータ取りを行う予定である。また、分析結果を踏まえ、視空間機能と電子機器操作の関連について更なる検討を行っていく。検討結果は学会発表や論文投稿を行い、研究成果を発信していく。さらに、認知機能低下群に対して、効率的な操作に繋がるアプリケーションの検討を行い、パイロットスタディを実施予定である。
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