研究課題/領域番号 |
20K19405
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
宮川 良博 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, ジェロサイエンス研究センター, 研究員 (70867291)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | がん悪液質 / 骨格筋 / ビタミンD / 骨格筋萎縮 / がんリハビリテーション / VDR / 筋萎縮 / 悪液質 / サルコペニア / 栄養 / Cre-loxP |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者に対するビタミンD補充療法は、加齢性筋萎縮に対する改善効果が期待される有望な治療(予防)法であるが、そこにがん悪液質が絡むとその効果は限定的となる。その背景には、がん悪液質によって生じるビタミンD受容体(VDR)の発現亢進が推察されているが、その分子機構は明らかではない。本研究では、骨格筋特異的VDR欠損マウスとがん悪液質モデルを組み合わせた手法を用いてがん悪液質によるVDR発現亢進の分子機構を明らかにし、がん悪液質性筋萎縮-加齢性筋萎縮-ビタミンDをつなぐ分子メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
がん悪液質(CC)は進行期がん患者において頻繁に発症するが具体的な治療法は開発されていない。本研究では、まずin vitro CCモデルを作製したところ、このモデルにおいて筋管細胞の萎縮、Vdr発現の増加を認めた。次に骨格筋特異的Vdr欠損マウスを用いてCCモデルを作製したところ、CCにおいて骨格筋のVdrをノックアウトすることで、筋重量の減少、筋線維横断面積の縮小が認められた。さらに、Vdrのノックアウトにより前脛骨筋において筋萎縮関連因子の発現量が増加した。これらの結果より、CCにおいて骨格筋ではVdrの発現が亢進するが、これは筋萎縮に抵抗するための防御的な反応である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、がん悪液質でのVDRの役割について骨格筋特異的VDR欠損マウスとがん悪液質モデルを組み合わせた初めての報告であり、VDRの発現増加が筋萎縮に抵抗するための反応である可能性を示す重要な知見である。今後、他のがん細胞を用いた悪液質モデルにおいても同様の反応を示すか検証していく必要があるが、本研究結果はがん悪液質による骨格筋萎縮に対し、VDRを標的とした治療法の開発に貢献することが期待される。
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