研究課題/領域番号 |
20K19411
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 (2022-2023) 神戸大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
山縣 桃子 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (50848223)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Knee osteoarthritis / 変形性膝関節症 / 筋骨格モデル / 歩行 / 関節負荷 / 筋活動 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性膝関節症(膝OA)における筋の同時収縮は,疾患の進行を予測する有用な指標となりうる.本研究は,関節構造変化の少ない超早期から重度の膝OA患者を対象に,複数筋の同時収縮の程度や同時収縮が動作に与える影響などの筋動態の特徴を評価する.各重症度における筋動態の特徴が,それぞれの症状や生活習慣と関連するかを明らかにし,さらに,その特徴が実際に将来の進行を予測できるかを示すことを本研究の目的とした.本研究が進捗すれば,進行予防や症状改善,生活の質向上に向けて,筋動態の特徴に合わせた新たな運動療法を提供できることが期待される.
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研究成果の概要 |
変形性膝関節症(膝OA)患者のうち将来手術に至るような患者は、歩行中の膝関節への力学的負荷が増大しないような代償的な歩行パターンを利用していたが、これにより膝関節の限局領域に集中的かつ持続的な負荷が加わっていた可能性が明らかになった。また、健常高齢者や初期膝OA患者を対象に早期の軟骨変性に関連する歩行中の力学的指標を調査した結果、軟骨変性には膝関節への力学的負荷の量ではなく分布が関連していることが明らかになり、歩行中に膝関節圧縮力が内側に偏移している対象者ほど軟骨変性が進行していることが示された。この指標の有用性を示すためには、縦断研究などの調査が今後必要となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性膝関節症(膝OA)は日常生活で膝関節へ繰り返しかかる力学的負荷によって進行する疾患であり、この力学的負荷を詳細に評価することは予防的・治療的な観点から重要である。従来の方法に加え、本研究では筋骨格モデルによって膝関節の力学的負荷をより詳細に評価した。その結果、従来の指標よりも力学的負荷の移動量や内側偏移が将来の手術リスクや早期の軟骨変性をより捉えられる可能性を明らかにした。これまで検出が困難であった早期膝OA患者においてもこの指標が有用である可能性が示され、今後、関節構造変化の少ない段階での早期のOA検出や適切な治療法確立に有益な指標となることが期待される。
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