研究課題/領域番号 |
20K19429
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
横田 裕丈 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (20827472)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 二点識別覚 / α律動 / 経頭蓋交流電流刺激 / 左後頭頂皮質 / 一次体性感覚野 / 後頭頂皮質 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,慢性疼痛患者において二点識別覚(TPD)の改善と疼痛軽減の関連が報告されており,TPDを効果的に改善させる手法が新規治療として望まれている.そこで本研究では,TPDを向上させる効果的な脳刺激法を明らかにすることを目的とした.具体的には,TPD処理に重要とされる一次体性感覚野(S1)または後頭頂皮質(PPC)に対するα帯域の経頭蓋交流電流刺激(tACS)がTPD閾値に及ぼす影響を解明し,次に,個人の安静時脳律動に合わせた周波数でtACSを行い,より効果的なTPD向上を試みる.一連の検証をもとに,将来的に慢性疼痛患者の痛覚知覚との関連を明らかにし,慢性疼痛の新たな治療法開発を目指す.
|
研究成果の概要 |
α帯域の脳律動(8-13Hz)は知覚に影響を与えることが知られているが,高次の知覚指標である二点識別覚(TPD)に対して異なる役割を果たすことが示唆される左後頭頂皮質(PPC)と一次体性感覚野(S1)におけるα帯域活動の変化がTPD閾値に及ぼす影響は不明である. 17名の健常学生を対象に,脳律動を非侵襲的に調整することが可能な10 Hzの経頭蓋交流電流刺激(tACS)を用いて左PPCとS1を刺激し,右示指指腹のTPD閾値を測定した.その結果,tACSは左PPC上に適用するとTPD閾値を低下させたが,左S1上に適用した場合には変化せず,TPD閾値の決定に領域特異的な効果があることが実証された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりtACSを用いて感覚皮質の可塑的変化を誘導することで二点識別覚(TPD)の向上が得られることが明らかとなった.将来的に慢性疼痛患者の痛覚知覚との関連を明らかにできれば,これまで効果が限定的であった慢性疼痛における新たな治療法開発につながることが期待できる.さらに,対象部位を変えれば,脳律動の関与が指摘される認知機能や運動機能の低下などに対しても汎用の可能性があり,様々な領域の障害回復に応用できる可能性がある.
|