研究課題/領域番号 |
20K19434
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
三宅 優紀 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40469317)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 園芸療法 / 高齢者施設 / 認知症 / 作業療法 / コロナ禍 / オンライン / バーチャル / 連携 / 高齢者 / 園芸 |
研究開始時の研究の概要 |
園芸療法は、その活動の場に身を置いているだけでも、花や野菜などの園芸植物や自然の営みがもたらす多面的な効用が期待できる。多くの高齢者施設は、園芸療法の効果を認め、その導入を検討していながらも、実際の取り組みに困難を感じている(時間・費用がない、マンパワー不足等)。これらの問題解決のため、園芸療法を実践している専門職からの知識や技術の継承が必要であるが、有効な解決方法は確立されていない。 本研究では、施設入所高齢者が自分らしく生活するための支援技術としての園芸療法マニュアルの開発を目指す。本研究により、園芸療法を通して施設入所高齢者のQOLが向上でき、豊かな施設生活が送れる可能性が広がると考える。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、これまでに終了したインタビュー結果をまとめ、論文執筆を行った。結果3本(海外1本、国内の1本)論文が受理された。 1つ目は、入院により園芸活動を剥奪されたクライエントに対する作業療法士(OT)の実践を明らかにした。構造構成的質的研究法を用い、分析はSCATを用いた。結果、園芸活動実践には【園芸活動導入時の人的・物理的課題】が存在し、OTは【クライエント中心の協力体制】と【物理的環境を改善させるための対応】をしながら【未来につながる園芸活動推進運動】を行っていた。それにより【作業剥奪+作業疎外】のクライエントには【心身+作業参加の改善】が認められた。さらにOT自身も【その人らしい園芸支援のための理想像】が獲得され【OTへの波及効果】も得られていくというモデル図が作成できた。 2つ目の研究では、高齢者施設への園芸療法導入・実践のコツについてインタビュー調査を通して質的に解明した。結果、【園芸療法実践の基本戦略】が基盤となり、導入は【共作業で行う環境整備】、【目的を意識した園芸活動の選択】、【コスト削減対策】、【臨機応変な対応】の4つのコツが挙げられた。継続には、【メンテナンスを含む植物への継続的関与】、【その人らしさを大切にした活動内容】、【成功と失敗のノウハウの蓄積と活用】の3つのコツが挙げられた。 3つ目はオンライン園芸を実施した大学生を対象に調査を行い、オンライン園芸の利点、障壁、課題、今後の課題の抽出を質的に分析し明らかした。また入所高齢者に対してもどのような効果があるか検証を行った。その結果、QOL-Dの下位項目の「落ち着きのなさ」が低下した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者施設での園芸療法実践はコロナ禍のため制限もあったが、オンラインでの活動に切り替えて実施することができた。 実践の効果やインタビュー調査の結果を論文かすることができたため、おおむね順調に進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今までの実践や論文の結果を整理しながら、施設入所高齢者が自分らしく生活するための支援技術としての園芸活動マニュアルを作成していく。
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