研究課題/領域番号 |
20K19442
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
牧野 圭太郎 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (90775545)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 身体活動 / 炎症 / アミロイド / アミロイドβ |
研究開始時の研究の概要 |
身体活動による神経保護および認知機能の保持には、神経炎症の抑制が関与していると考えられている。また、神経炎症と脳内アミロイドβ(Aβ)は密接な関連性が示唆されている。本研究では、地域高齢者を対象とした2年間の縦断調査から、身体活動の抗炎症作用による神経保護メカニズムに対して脳内アミロイドβ蓄積が及ぼす影響の解明を目指す。本研究により、今後の非薬物療法による認知症予防施策の効率化が期待される。
|
研究成果の概要 |
本研究では、地域在住高齢者を対象とした2年間の縦断調査を実施し、日常の身体活動量の変化と炎症マーカーおよび認知機能の変化との関連が、脳内におけるアミロイドβの蓄積量により異なるのかを検討した。 年齢を調整した解析の結果、アミロイドβの脳内蓄積量が多いグループにおいて、日常の歩行時間の変化および炎症マーカーの血中濃度の変化が記憶力の変化と関連したが、アミロイドβの脳内蓄積量が少ないグループではその関連が認められなかった。本研究の結果から、地域在住高齢者における身体活動、炎症マーカー、認知機能の相互関係は脳内アミロイドβ蓄積の多寡により異なる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、脳内におけるアミロイドβの蓄積および神経炎症の亢進がアルツハイマー病の発症と密接に関連していることが明らかにされた。また、脳の健康状態に対する身体活動の有益性には神経炎症の抑制が関わっている可能性が示唆されているが、アミロイドβの脳内蓄積量を考慮した検討は未だ十分に行われていなかった。本研究で得られた知見は、身体活動による認知機能の維持向上効果が現れやすい対象者の層別化など、今後の認知症予防戦略の効率化へ寄与し得ると考えられる。
|