研究課題/領域番号 |
20K19467
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
谷利 美希 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (40612669)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 活動と参加 / 地域在住高齢者 / 認知機能 / 余暇活動 / 社会参加 / 基本チェックリスト / 健康関連QOL / 社会的孤立 / 抑うつ / フレイル / 認知症危険因子 / 認知症予防 / 目標指向型プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、①地域在住高齢者の余暇活動・社会参加の実態、および②地域在住高齢者の余暇活動・社会参加を促進する目標指向型プログラムが認知機能に与える影響、の2点を明らかにする。認知症予防のためには、「身体不活動」「社会的孤立」を含む9つの認知症危険因子への対応が必要と国際的に提言されたが、身体運動に比して、余暇活動・社会参加は客観的な測定が困難なことから、認知症予防に向けた検証が遅れている。本研究の実践により、地域在住高齢者の余暇活動・社会参加の定量的評価が可能となる。また、余暇活動への介入による認知症危険因子への効果を提示することで、わが国の認知症予防に向けた支援システム構築の発展に寄与する。
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研究実績の概要 |
本研究は,地域在住高齢者の主体的な活動の実施と,認知機能および認知症危険因子との関係性を検証する.R5年度は,R3年度調査の追跡調査を実施した.R3年と同様に,町内会自治会協議会の協力を得て,高齢者以外も含む全戸に質問紙をポスティングし,687通回収した(期間:R5年10~11月).対象地域の高齢化率は45.8%であり,概算回収率は46.7%となった.1年以内の入院歴がある者,要介護認定者,65歳未満の者を除外し,研究対象者は557名となり,そのうち,欠損値のない535名が分析対象となった. R3年(n=564)とR5年(n=535)の群間比較の結果,性別・年齢・同居形態・就労状況に差はなかった.また,基本チェックリストの下位項目による運動器の機能・主観的認知機能・抑うつ気分,LSNS-6による社会ネットワーク量,SF-8による健康関連QOLの身体的側面の群間差はなかった.一方,活動実施状況評価Activity card sort-Japan versionによるIADL,身体的負荷の高い余暇活動,社会文化的活動の各実施率と,健康関連QOLの精神的側面はR3年よりR5年の方が有意に高かった(p<0.001).身体的負荷の高い活動や社会文化的活動には,外出や人との交流が含まれるため,感染症予防対策の緩和の影響が考えられた.また,本研究のR2年からR3年にかけて悪化した健康関連QOLの精神的側面がR5年で改善しており,活動量や活動範囲の増加による影響が考えられた. R3年とR5年において追跡できた対象者は277名(追跡率46.4%)であり,活動参加と認知機能の因果関係について分析を進める.さらに,同意を得た方を対象に面接調査を行っており,すでに105名の面接調査を終えた.面接調査では客観的認知機能検査を実施しており,主体的な活動量の改善と認知機能との関係性について解析を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R3年度の大規模調査が感染症対策のため予定より遅れたため,追跡調査を含めた計画が後ろ倒しとなった.R5年度に質問紙調査と面接調査はおおよそ終了したが,面接調査の一部はR6年度に繰り越しとなる.
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今後の研究の推進方策 |
R6年度は,同意を得ている面接調査対象者との日程調整の上,訪問調査を実施する.また,質問紙調査と面接調査の結果をまとめ,対象地域の回覧版にて報告する.同時に,分析対象者の解析を進め,論文投稿を行う.
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