研究課題/領域番号 |
20K19473
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
石井 圭 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (70803899)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 不整脈 / 脳血流 / 心臓ペーシング / 迷走神経 / 血圧受容器反射 / 血圧低下 / 自律神経 / 求心性信号 |
研究開始時の研究の概要 |
重篤な頻脈性不整脈は意識消失や突然死へと繋がる危険な病態である。頻脈性不整脈により心臓から十分な血液を送り出せなくなることで血圧が低下し、結果として脳血流量が減少することで意識消失を引き起こすと考えられてきた。しかし、血行動態の影響とは別に、心臓から脳への信号が脳血流量を減少させることで意識消失を引き起こしている可能性が不整脈患者のデータから示唆された。そこで、高頻拍の不整脈時には『心臓からのどのような信号が、どのような経路で、どのように脳血流量に影響を与えるか』を3年間の研究で明らかにする予定である。
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研究成果の概要 |
本研究では、「高頻拍の不整脈に伴う心臓からの求心性信号が脳血流を減少させる」という実際の患者データから得られた新たな仮説を検証するために、ラットを用いて不整脈を模擬した心臓ペーシング中の循環応答を計測した。心臓ペーシングにより、動脈血圧が顕著に低下した際には、限られた血液を特定の脳領域に選択的に配分していた。この血流配分に脳への求心性信号が関与することを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果より、高頻拍の不整脈という緊急事態に生体は、脳への求心性信号に基づき「生命維持に必要な脳幹領域への血流を優先的に確保しつつ、酸素を多く消費する大脳皮質領域の血流を低下させ“シャットダウン”状態にする」という生存戦略をとることが示唆された。この求心性信号の発生源をモニタリングすることは、不整脈中に脳血流が低下しやすい(意識消失しやすい)状態の推定に有用であろう。
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