研究課題/領域番号 |
20K19482
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
芝口 翼 金沢大学, GS教育系, 講師 (40785953)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 筋細胞 / ミトコンドリア / microRNA / 栄養素 / 代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
エネルギー代謝の要であるミトコンドリアの健全性の維持・増進は、運動能力向上や疾病予防に必要不可欠である。近年、その健全性の一端を担うミトコンドリア生合成の制御にmicroRNA(miRNA)などの下方調節因子の関与が推測されているが、外部刺激(例:栄養や運動)によるミトコンドリア生合成誘導へのmiRNAsの関与に関する体系的な研究が滞っている。そこで本研究では、栄養素がもたらすミトコンドリア機能の向上の背後にmiRNAsを介した遺伝子発現抑制機構の関与を独自の視点と置き、miRNAsを外的に制御しながらミトコンドリア生合成をより強く上方調節すること(最大化)への可能性について検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、栄養素がもたらすミトコンドリア機能向上の背景にmicroRNAsを介した遺伝子発現抑制機構の関与を独自の視点と置き、miRNAsを外的に制御しながらミトコンドリア生合成をより強く上方調節すること(最大化)への可能性を検証した。我々が開発した糖-アミノ酸混合液には筋細胞のミトコンドリア生合成を誘発し、増えたミトコンドリアの活性を高く保つ働きがあることが示された。また、この混合液が含むロイシンにはmiR-494とmiR-696を協同的に発現抑制して筋細胞のミトコンドリア生合成を誘発させる働きがあるとともに、これらmiRNAs非依存的にミトコンドリア生合成を誘発させる可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動や栄養素摂取によって骨格筋のミトコンドリア生合成が誘発されるが、この調節機構のうちmicroRNAを含む下方調節機序についてはその複雑さと多様さを理由にほとんど注目されていない。しかし、miRNAのいくつかは筋細胞でミトコンドリアのタンパク質合成を抑制的に制御し、運動トレーニングに対する応答性の違いにmiRNAが関与する可能性も示唆されている。つまり、これらmiRNAの制御力を弱めたり解除したりすることによってミトコンドリア生合成を調節し、運動や栄養の効果を最大化することが可能かもしれない。本研究の先には、miRNAを標的とした新たな運動・栄養処方や創薬研究等への応用発展が期待できる。
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