研究課題/領域番号 |
20K19498
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 立命館大学 (2020) |
研究代表者 |
横川 拓海 京都大学, 農学研究科, 助教 (80844323)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Arcadlin / 運動 / 海馬 / 情動 / 学習 / 脳 / シナプス |
研究開始時の研究の概要 |
運動は学習能力の改善、認知症・うつ病の予防に効果があることが報告されているが、その分子機序は明らかでない。Arcadlinはシナプス接着分子として神経回路の可塑性に関わることが報告されている。運動により海馬のArcadlinが増加することから、運動による脳の健康増進にArcadlinが関与している可能性がある。本研究では、Arcadlinが運動による脳の健康増進を媒介している可能性を、Arcadlin欠損マウスを用いて、行動学的・生化学的・組織学的解析により検証する。
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研究成果の概要 |
本研究により、ランニングホイールを用いた自発性走運動によりシナプス接着分子であるArcadlinの海馬における発現量が増加することが明らかとなった。また、Arcadlin欠損マウスの行動解析(オープンフィールド試験・高架式十字迷路試験・Y迷路試験・バーンズ迷路試験)を実施したところ、Arcadlinが不安様行動ならびに空間記憶形成に関与していることが明らかとなった。一方、生化学解析においては、Arcadlinの欠損による海馬シナプス分子の発現量への顕著な影響は観察されなかった。以上の結果より、Arcadlinが運動による抗不安効果ならびに学習機能亢進に関与している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動は、学習能力の改善、認知症・うつ病の予防に効果があることが報告されているが、その分子機序に関しては未だ不明点が多く残されている。本研究では、運動誘導性分子であるArcadlinが不安様行動および空間学習に関与することが明らかとなった。これらの知見は、運動による脳機能亢進の新規分子機序の可能性を示すだけでなく、その作用機序を模倣する新規栄養・薬理因子(運動模倣剤)の探索につながる可能性を有する点で、学術的・社会的意義を持つと考えられる。
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