研究課題/領域番号 |
20K19502
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
冨賀 裕貴 佐賀大学, 医学部, 助教 (50826394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 運動 / 2型糖尿病 / うつ・不安 / 脂肪組織 / 海馬 / 肥満 / TGF-β2 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
2型糖尿病は世界規模で拡大する健康問題の一つであり,末梢での糖代謝異常のみならず,中枢に影響し,心の健康を脅かすことが明らかになってきた.運動は,2型糖尿病やうつ・不安の予防・改善策として有効であることはよく知られている.一方で,運動の何がこのような恩恵効果をもたらしているか,そのメカニズムの多くは謎に包まれている.本研究では, 2型糖尿病や運動による脂肪組織の特徴的な変化が,心の健康を調節しているという仮説を立てた.本研究の目的は,脂肪組織移植技術と行動科学的手法を用いて,2型糖尿病及び運動時のうつ・不安様行動調節における脂肪組織の役割を解明することである.
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研究成果の概要 |
本研究では、運動による2型糖尿病の抗うつ・抗不安効果において、脂肪組織が果たす役割について明らかにすることを目的とした。11日間の運動マウスの皮下白色脂肪組織を移植した2型糖尿病モデルマウスのうつ・不安様行動を評価した。その結果、運動脂肪移植が気分行動に及ぼす有益な効果は認められなかった。また、既知の運動誘発性アディポカインの組換えタンパク質を2型糖尿病モデルマウスに慢性投与した場合においても、行動に対する影響は認められなかった。したがって、2型糖尿病のような重篤な病態におけるうつ・不安様行動の改善効果においては、脂肪組織の適応以外の運動のファクターが重要である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動が心の健康の維持・増進に有効であることは広く知られているが、そのメカニズムについては未だ不明な点が多い、研究代表者のグループはこれまでに、運動による抗うつ・不安効果における脂肪組織の役割について明らかにしてきたが、2型糖尿病モデル動物においては効果が得られなかった。これらの結果から、2型糖尿病のような重篤な耐糖能障害下では、運動による抗うつ・不安効果における脂肪組織の貢献度は低い可能性が示唆された。本研究は、運動に適応した脂肪組織の抗うつ・不安効果は、耐糖能ステータスによって異なる可能性を示しており、メンタルヘルスの維持・増進に向けた運動療法プログラムの構築において一助となると考えられる。
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